ジョン・メイヤーの「ルーム・フォー・スクエア」を聴いてみた。
高知市は、お盆休みも終り、10日ほど前の祭りの喧騒が嘘のように静かになっている。個人的には毎晩テレビで北京オリンピックを観戦しているので、ゆっくり音楽を聴く時間がなくて、少々不満なのだが、4年に一度のオリンピックの魅力には勝てずに、結局夜遅くまでダラダラとテレビを見る事になってしまう。それでも今日は気持ちの良いアルバムを聴いた。出勤前に、部活の試合会場に高校生の長男を車で送る間、ジョン・メイヤーのデビューアルバム「ルーム・フォー・スクエア」を流していたのだ。日曜日、ちょっとした用事の途中で本屋に寄り、立ち読みした音楽雑誌にジョン・メイヤーの特集記事が載っていて、
「そういえば、ジョン・メイヤーのアルバムを昔購入したけど、あのCDはどこへ行っただろうか・・・?」
なんて事をぼんやり考えて、引っ張り出してきたのだ。いやはや懐かしい。4〜5年前に高知市内の中古CDショップで見つけて購入した記憶がある。
ジョン・メイヤーというと天才ギタリストのように言われるが、このアルバムを聴く限りにおいては、ギターを弾きまくる訳ではなく、そんな事よりも曲全体の雰囲気を最優先にした実にすがすがしい印象を受ける。
ちょっと秋を感じ始めた早朝のドライブには結構気持ち良くて、
「結局は、こういうアルバムを聴かないとダメなんだよな〜。分かるかね?ええ?」
なんて一人運転席で呟くオヤジであった。
[Music John Mayer]
アン・ルイスの「恋のブギ・ウギ・トレイン」は浪人生には毒だと思った話。
浪人していた頃に聴いていた音楽を思い出していると、非常に面白い事に気が付く。それは、
『当時聴いていた音楽の8割が邦楽で、高校の頃好きで聴いていた洋楽やフュージョンはほとんど聴いていない。』
という事だ。
僕は浪人生活が始まった時から、それまでほとんど聴いた事が無かったアーティストの曲ばかりを、豹変したように聴くようになった。予備校の寮で生活していた仲間達の中に、洋楽やフュージョンが好きな奴がいなかった事と、只々音楽に飢えていたせいもあるが、友人達から借りたカセットテープに録音されていた、いわゆる『当時の若者が普通に聴いているニューミュージック』が思いのほか気に入ったせいもあった。
僕は浪人生活の間に、それまで聴いた事も無かったユーミンや竹内まりや、大瀧詠一、山下達郎、南佳孝、柳ジョージなどのアルバムを次々と聴いては、
「おお〜っ、邦楽も結構イイじゃない〜。」
なんて、感じていたのだ。
さて今回は、僕がこの時期聴いていた曲の中で、非常に気に入ると同時に、いつも悶々とした気持ちにさせられていた曲の話だ。(←相変わらず前置きがちょっと長かったかな?申し訳ない。)
ちょっと前に、当時予備校の寮で仲の良かった“イケメン”で“オタク”のS井君という人物の話をしたが、(←記事はこちらです。)今回のお話も、このS井君から借りた1本のカセットテープから始まる。
S井君という男は面白くて、決してアルバム1枚をカセットテープに録音するような事はぜずに、もうただひたすら自分の好きな女性歌手の曲を前後の脈絡は何もなく、音の良し悪し関係なく続けざまにテープに録音していた男で、僕が彼から借りるカセットテープは最初に聴く時は、新しい物でも、古いものでも、
「一体次にどんな曲が録音されているのだろう?」
と期待半分、不安半分でドキドキする代物だった。
まあ、逆にその辺が面白くて、彼からはずいぶんたくさんのテープを借りた気がするが、比較的当時の新しい曲が収められていたテープを聴くうちに、僕はアン・ルイスの歌う「恋のブギ・ウギ・トレイン」という曲を何回も聴くようになった事を覚えている。
それまで僕の中では、アン・ルイスという歌手は、『可愛らしいハーフのお嬢様歌手』というイメージしかなく、正直、「恋のブギ・ウギ・トレイン」で彼女のあまりのカッコ良さに、よい意味で、
「おお〜〜〜っ、完全に裏切られたぞ!」
と感じた事だった。
その後も彼女は「六本木心中」で再び良い意味での裏切りを見せるのだが、その話はまたの機会にして、とにかく、「恋のブギ・ウギ・トレイン」は実にカッコ良く、寮の部屋で何度も聴いた曲だった。
にもかかわらず、当時の僕はこの曲の作詞が吉田美奈子、作曲が山下達郎である事を全く知らなかった。呆れた話だが、それも当り前で、僕が初めて山下達郎のアルバムを聴いたのは、この年の冬近くなってからの事のように記憶している。
まあ、僕は昔から曲の成り立ちにあまり興味がなく、直感で
「かっこエエのぅ〜。」
なんて、すぐマヌケ面をする傾向があったので、(←今でも同じだ!)しょうがないのだ。
話がそれてしまったので、元に戻すが、この時の僕は確かに「恋のブギ・ウギ・トレイン」という曲が大好きで、寮の部屋で何回も聴いたのだが、同時にこの曲には実に悶々とさせられた記憶の方が強い。
その辺の事を少し説明すると、当時の僕は「恋のブギ・ウギ・トレイン」は、ディスコの楽しさを実に分かり易く、かつ楽しく表現したダンスミュージックだと感じていた。そして、この事が、『浪人生の僕が遊んでいる大学生に対して抱いている嫉妬心』を微妙に煽り、この曲を耳にする度に浪人生活の間中抱えている悶々とした気持を必要以上に湧き起こさせる結果となったのだ。
簡単に言うと、僕はこの曲を聴く度に、
「う〜む。大学生が羨ましい。女の子とディスコで踊りたい。遊びたい、遊びたい、遊びたい、遊びたい・・・・。」
という思いが湧き上がってきて、イライラした気持ちを抑えられなくなっていた記憶があるのだ。浪人生には、実に「毒」な曲なのだ。今思うと実にバカバカしい話だが、当時はこの曲で毎晩のようにイライラを募らせて、悶々としていたのだ。いやはや、浪人生活とは辛いものである。
そんな当時の気持ちを思い出しながら、久しぶりに聴いてみました。「恋のブギ・ウギ・トレイン」。
当時の音源は無かったので、アン・ルイスのベストアルバムから聴いたのだが、今聴いても実に良い。中年のオヤジでも、なんとなく気分がウキウキしてくる楽しい曲なのだ。一緒に聴いていた女房は、
「懐かしい、懐かしい」
を連発し、
「短大生の頃かな?私この曲聴きながら軽井沢に遊びに行ったわ〜。あの時の車はファミリアだったわ〜。」
などと、当時の思い出話を始め、長男は、
「へ〜っ、いい曲やな。俺にダビングしてくれよ。」
などと言い出す始末。
僕は、
「この曲って、世代を超えて気に入られる曲なんだなぁ・・・。」
なんてちょっと感動してしまった事だ。
で、オヤジはというと、楽しい曲の中にも、何となく寂しく、悶々とした複雑な気持ちを思い出しながら、浪人生活をしていた頃へ思いを馳せていたのだ。
[Music アン・ルイス]
スタン・ゲッツの「ゲッツ/ジルベルト」を聴いてみた。
高知市は、よさこい祭りも終り、その後の花火大会も無事終了して街は静かにお盆を迎えている。僕は毎年この時期になると楽しみにしていた夏が終わってしまったようで、実に寂しい気持になってしまうのだ。実際はまだまだ蝉の声も聞こえ、きつい陽射しが降り注いでいるのだが、気持ちの上では秋を感じ始め、心のどこかに哀愁が漂い始める。
先日女房にこの話をすると、
「まあ、残り少ない夏休みを残念がる小学生みたいなものね。子供と同じよ!」
と、ばっさりやられた。
「どうも、女というのは、この辺のセンチメンタリズムを理解しないので困る・・・。」
なんて事を考えながら、昨夜聴いたのはスタン・ゲッツの名盤「ゲッツ/ジルベルト」だ。
夏の終りから秋口にかけて、このアルバムを聴いて、ボサノバの世界に身を委ねるのは、僕の中では毎年の恒例行事で、
「うん、うん。今年も聴いたぞ。それにしてもこの時期にぴったりじゃ。フフフッ。」
などとほくそ笑む事が、ここ10年ぐらい続いている。
他にも良いアルバムはいっぱいあるので、実に進歩が無いのだが、アストラッド・ジルベルトの歌声で夏の疲れを癒し、ゲッツのアドリブで夏が終わる寂しさを感じ、そして最後は単純に、
「ボサノバっていいよなぁ・・・・。」
なんて思いながら酔っ払ったマヌケ面をさらす事になる。でも、オヤジはこれが無いと秋が来ない気がするのだ。
[Music Stan Getz]
キッスの「地獄の軍団/DESTROYER」を聴いてみた。
最近はあちこちのブログを拝見していて、「そうそう!そんなアルバムがあったよなぁ〜。最近聴いてないよなぁ〜。」
なんて思い出し、久しぶりに聴いてみるとえらく感動して恐れ入ってしまう事が多々ある。
先週記事にしたマイルス・デイビスの「クッキン」もそうだが、今回はキッスの「地獄の軍団/DESTROYER」だ。モダン・ジャズからハード・ロックへ何の脈絡もなく変わってしまうのだが、このアルバムも少し前に波野井露楠さんのブログを読んでいてずっと気になっていたのだ。(←記事はこちらです。)
波野井露楠さんは記事の中で『「デトロイト・ロック・シティー」を聴きながら木更津シティーを疾走。』って書いているが、僕も高知シティーを車で疾走しながら「デトロイト・ロック・シティー」が聴きたくて、全然カッコ良くないけど、部活帰りの息子を迎えに行く車で「地獄の軍団/DESTROYER」を流していた。
ところが、この日高知市内はよさこい祭りの真っ最中。大渋滞で俺の「デトロイト・・」より、祭りの音の方がボリュームが大きいという妙な事になってしまい、その上、よさこいの踊り子達はちょっと見るとキッスよりも派手なメイクや衣装をしてるのがゴロゴロいて、実に変な気分だった。
さて、アホ話はこれくらいにして、高校生の時以来ほぼ30年ぶりに聴くこのアルバムの内容は実に良かった。ロックの楽しさが凝縮されていて、シンプルでビンビン心に響く名曲が続くのだ。「デトロイト・ロック・シティー」だけでなく、「狂気の叫び」も「べス」も「雷神」も全部良い。これぞキッス、感動と爽快感が味わえる名盤だ。
Detroit Rock City : Kiss
[M;Kiss]




