バド・パウエルの「コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル・Vol.1」をちょっと聴いてみた。

オヤジは昔からこの曲が大好きで、恥ずかしながら二十数年前の自分の結婚式でもキャンドル・サービスに流して喜んでいたのだが(←マジで恥ずかしいぞ。)まぁ、そんな事は虹の彼方に追いやっといて、コノ曲実に色々なミュージシャンがカバーしている。ざっと頭に浮かぶだけでも、エリック・クラプトン、レイ・チャールズ、サラ・ボーン。インストならキース・ジャレットの名演もあったように記憶している。
で、オヤジがiphoneにダウンロードしてある曲の数々を「Over The Rainbow」で検索してみると、何とバド・パウエルのバージョンがあるのを発見した。アルバムは「コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル・Vol.1」だ。
「あらまぁ・・・こんな所にもあったのねぇ・・。」
なんて呟いたのだが、実はこのアルバム、オヤジはあんまり好きではないのだ。と言うのも、そもそもバド・パウエルなんて疲れまくるので滅多に聴かない上に、同じ曲の別テイクが続くので飽きてしまうからだ。そんな訳でバド・パウエルの「虹の彼方に」なんて全く知らなかったが、聴いてみると、
「あぁ、やっぱりねぇ・・・実にバド・パウエルだわ。」
だった。
説明すると、曲の前半は高速のアドリブが続き、
「コレほんまに『虹の彼方に』かねぇ??」
なんて思うのだが、後半で一気にバドのロマンディシズムが全開となる。ただ、このロマンティシズムは、オズの魔法使いのドロシーが虹を見上げて思いを馳せるような甘チャンなものではなく、バド独特の重くて一度踏み込むと身も心もドロドロになるような病的なロマンティシズムの世界で、まさしく彼の愛した薬とアルコールの泥沼へ引き込まれるような恐怖を感じてしまうのだ。
「コレもまた名演なんだろなぁ・・。」
などと考えつつも、
「相変わらずバド・パウエルは疲れる・・。」
なのだ。
[Music Bud Powell]




FC2タグ : バド・パウエル コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル・Vo |
Category: Jazz/Fusion | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |