子供が生まれた時も音楽を聴いていたのだ。


今から13年ほど昔の事だが、女房が次男を出産する為に高知市内の産婦人科に入院した。次男の場合、予定日を1週間以上過ぎても陣痛が来なくて、医者の判断で陣痛促進剤を点滴して、出産する事になった。女房に付き添った僕は、薬の影響で陣痛が起り、ストレッチャーに乗って分娩室の隣の部屋に女房が移った後、1人病室で出産を待つ事になった。僕は長男が生まれた時の経験から、
「まだまだ数時間は生まれるものじゃないな・・・。」
と思っていたので、
「う~む・・・。退屈だな・・・。しょうがない、テレビでも見るか・・。」
なんて考えて、病室のテレビのスイッチを入れた。午後のワイドショーをボンヤリ見ながら暇をつぶし、その後の夕方のドラマの再放送で、「水戸黄門」が始まった。
「ほ~っ、水戸黄門か。時間を潰すのには、こういう時代劇がちょうどいいな・・・。」
そう思い、オープニングで流れる主題歌を聴いていた。その時、突然病室に看護婦さんが入ってきて、
「ご主人!おめでとうございます!男の子です。」
なんて言われてメチャクチャ焦りまくったのだ。
そんな訳で、僕は水戸黄門の主題歌を聴くとなんとなく胸騒ぎがして落ち着かないのだ。
その後、女房にこの話をすると、
「あんたは、私が苦しんでいる時に水戸黄門かね?」
と散々嫌味を言われた事だった。
そう言えば、長男が生まれた時も僕は実にタイミングが悪かった。


時計の針が午前3時を回り、翌日の仕事の事も気になり始め、
「う~む。これだけ連絡もないし、今日は生まれないな。明日の朝、病院へ顔を出す事にして、寝るか・・・。」
そう考えて、ベッドへ横になった。
と眠りに入って、30分ほどした時に突然家の電話が鳴った。飛び起きて、電話に出ると、
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ~!すぐにこちらへ来られますか?」
なんて看護婦さんから言われ、慌てふためいて、オロオロした記憶がある。
この事も、後に女房に話すと、
「あんたは、私が苦しんでる時に音楽聴いて、高いびきかね?」
とこれまた散々嫌味を言われた事だ。
流石に水戸黄門の主題歌のように、ビル・エバンスやキース・ジャレットはドキドキして落ち着かない事は無いのだが、初めての子供が生まれる緊張の中で聴いていたアルバムがこの2人だった事は、悪い気はしていない。
とまあ、また勝手な思い出話を記事にして、アホらしい事この上ないが、とにかく、こんな事が頭に浮かんだ訳なのです。
あっそうそう、三男の時は慌てなかったですよ。夜中にキチンと病院に行って、テレビを見る事も、音楽を聴く事も、オロオロする事もなく生まれました。女房にも嫌味は言われてません。
[Music Keith Jarrett] [M;Bill Evans] [Music ほか]
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