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土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ チャーリー・パーカー
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「アドリブの人」への憧れ

2008.01.27 Sun
 昨年からこんな思い出話が中心のブログを始めたせいで、やたらと昔の事を思い出すようになってしまった。まあ、頭がボケないうちに、思い出した事はなるべく記事にしようと考えているが・・・。
 さて、今回思い出したのは、モダンジャズを聴き始めた頃から現在まで感じ続けている1人の天才への憧れの話だ。
 僕の聴く音楽がモダンジャズが中心となってきたのは、30歳になる少し前の頃で、長男が生まれて間もない頃とダブっている。当時は東京で働いていたが、1カ月の内、10日以上が地方への出張の生活で、新幹線や飛行機での移動中や、仕事が終ってビジネスホテルでくつろいでいる時などに、CDウォークマンでモダンジャズをよく聴いたものだ。
 そもそも、僕がモダンジャズを聴くようになったきっかけは、ある雑誌の記事で、ジャズ評論家の後藤雅洋氏が、
「ジャズ初心者に、モダンジャズを分からせる一番簡単な方法は、「チャーリー・パーカー」を徹底的に聴かせればいい。それで好きにならないなら、モダンジャズは絶対分からない云々。」
 という内容の記事がきっかけだった。
チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアルVOL.1 大学生の頃からモダンジャズのアルバムを何枚か聴いた事はあったのだが、それは特定のギタリストのアルバムだったり、誰でも知っている曲が入っている有名なアルバムがほとんどで、ジャズ本来の次々に湧いて出てくるようなアドリブを楽しんだり、スリリングなリズムの面白さを楽しむような聴き方はしていなかった。
「ここら辺で、ちょっと真面目にジャズでも聴いてみるかね~?また楽しみが増えるかもしれん。」
 当時、そんな簡単な気持ちで、後藤雅洋氏が“徹底的に聴け!”というチャーリー・パーカーの超有名アルバム、「チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアルVOL1」「オン・サヴォイ~マスター・テイクス」「バード~オリジナル・レコーディング・オブ・チャーリー・パーカー」を比較的短期間に購入していった事を覚えている。
 で、別に徹底的に聴いた訳ではないけれど、この3枚のアルバムは僕にチャーリー・パーカーに対する他のミュージシャンとは少し異なる憧れを抱かせた。
オン・サヴォイ~マスター・テイクス 3枚とも古い録音なので、少し音が悪いのはしょうがないのだが、そんな中でも、太く、クリアに聴こえるパーカーのアルトの音を聴いて、僕が感じる事を一言で言えば、
「チャーリー・パーカーは、アドリブの人だ!」
 という事。アドリブへの強いこだわりは、
「曲の中心はあくまでも自らのインプロヴィゼーションで、他にはあまり興味がない。」
 そんな印象さえ受ける。
 それだけに、パーカーの生み出すアドリブはものすごい。
 こんな表現をすると、3流の音楽評論家の決まり文句みたいで嫌なのだが、
「フレーズが次から次へと魔法のように湧き出てきては、空の彼方へ消えてゆく。まるで、鼻歌みたいに楽器を自由に鳴らしている。」
 そんな感じがするのだ。(←文才がなくて、こういう表現しかできないので、しょうがない・・・・。かっこ悪いなぁ~。)
バード~オリジナル・レコーデイング・オブ・チャーリー・パーカー 僕は、パーカーが、アルトを鳴らしながら、
「どうじゃ~。俺にもっと吹かせろ~。滑らかじゃろ~、気持ちええじゃろ~。おらおら~、まだまだ吹くぞ~。」
 なんて叫び、とめどもなく湧いて出てくるフレーズを惜しみなくぶちまけている気がする。それでいて、
「嫌いな奴は、聴かんでもええわい!」
 と誰にも媚びない。
 僕は、
「天才とは、こういうオッサンの事を言うのやね~。なんで、こんなにフレーズがアホみたいに出てくるんじゃろ・・・?才能あふれるという事は、ほんとにすごい事じゃ。」
 と、パーカーの音楽に驚くと共に、強い憧れを持つようになった。
 その後、色々なジャズミュージシャンのアドリブを聴いてきたけれど、パーカーほど苦もなく次々にフレーズを生み出す感のあるミュージシャンはいないと感じる。
 パーカー以外のミュージシャンはアドリブを生み出すのに、若干ではあっても、“苦悩”とか“緊張”とかを感じてしまうが、パーカーだけは、一瞬のひらめきがそのままの形で、次から次へとアルトから噴き出てくる気がしてならない。脳味噌と口と楽器と指が音楽用の回路で繋がっているとしか思えないのだ。
 僕は様々なミュージシャンに憧れを持っているがパーカーに対する憧れは、”楽器が上手くて憧れる”とか“フレーズがカッコ良くて憧れる”なんて言う事ではなく、“本当の天才への憧れ”で、例えて言うなら、超人的な力を持つ宇宙人が回りに畏怖の念を抱かせる事への憧れに似ている。
 僕の中でのチャーリー・パーカーは一連のミュージシャンとは全然違う所に存在する一人の天才なのである。

Charlie Parker: Celerity


 


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チャーリー・パーカーの「バード・ザ・サヴォイ・レコーディングス」のVol.1、Vol2 を聴いてみた。

2012.07.13 Fri
バード・サヴォイ・レコーディングス・VOL1 先週の事だが、ホレス・シルバーという古いピアニストの1950年代のアルバムを聴きながら、
「俺が生まれる何年も前に、モダンジャズっていう音楽は既に確立されていたんだなぁ・・・。」
 なんて当たり前の事を、改めて感じてしまった。
 モダンジャズというジャズの形式を最初に確立したのはチャーリー・パーカーだと言われている。この巨匠の、インプロヴィゼイションのみに命を懸けた音楽の方法は、非常な衝撃を持って世に迎えられたであろう事は、彼のアルバムを少しでも聴いた事がある人間なら想像がつくと思うのだ。
 で、ここからはオヤジの独断と偏見に満ちた話なので、
「そんな事ない!馬鹿者!」
 なんて怒りに満ちたジャズ・ファンに怒られそうなのだが、チョイと聞いて欲しい。
オヤジは、『結局、モダンジャズっていうのは後にも先にもチャーリー・パーカーしかいなくて、その後のミュージシャン達は彼のやり方をベースにモダンジャズに枝葉を付けただけだ。』そう考えている。
バード・サヴォイ・レコーディングス・VOL2「じゃあ、マイルスはどうなんだよ?おい!」
 なんてすぐに突っ込まれそうだが、マイルス・デイヴィスは、パーカーが作ったモダンジャズという木の幹に、様々な方向へ育つ事が可能な大きな枝を何本も付けた。』そんな解釈をしているのだ。
「また勝手な事を・・・。」
 と思うかも知れないが勘弁願いたい。オヤジの基本的なモダンジャズの解釈ってのは、コレなのだ。
 とまぁそんな事を考えながら久しぶりに聴いたのが、「バード・ザ・サヴォイ・レコーディングス」のVol.1とVol.2。オヤジがまだ20代の頃に購入したチャーリー・パーカーのアルバムだ。
 こういうのを聴くと、モダンジャズが世に出てきた最初の荒々しさと驚きを実感する事が出来るし、チャーリー・パーカーというミュージシャンが如何にダントツで特異な存在であったかがよく分かるのだ。
 年に1回くらいはこういう“ルーツを探る!”みたいなアルバムに耳を傾けるのも悪くないと思っている。




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チャーリー・パーカーの「サヴォイ・レコーディングス~マスターテイクス」を聴いてみた。

2016.06.09 Thu
サヴォイ・レコーディングス~マスターテイクス2 先週から女房が東京の実家に里帰りしているので、我が家はここ数日、オヤジと三男坊との2人暮らしだ。平日は仕事を終えて帰宅してから、夕飯の準備や洗濯等の家事をやるので何かと忙しいが、土日は女房の留守をいい事に、音楽と映画と酒の、怠惰な2日間をすごした。
 で、不思議なもので、そんな贅沢な環境に置かれると、
「こんな時こそ日常では聴かない音楽を聴いてみよう!」
 て意識が自然に働くのか、マイルス・デイヴィスとか、セロニアス・モンクとか、アラン・ホールズワースとか、まぁ、ちょいと考え込むようなアルバムばかり流してしまった。
 そんな中の1枚がチャーリー・パーカー「サヴォイ・レコーディングス~マスターテイクス」だ。まぁ、チャーリー・パーカーは考え込む程では無いにしろ、こんなアルバム、普段は絶対に聴かない。でも急に、
モダン・ジャズが世に出た頃の貴重な記録を久しぶりに聴いてみるかなぁ・・・。」
 なんて考えて(←こんなマジメな事は普段は絶対に考えない)引っ張り出したのだ。
 さて、その「サヴォイ・レコーディングス~マスターテイクス」だが、ここに収められているセッションは1940年代から50年代と非常に古く、音が悪いのはしょうがないが、中身をバカにしちゃいけない。混沌とした音の塊の中で、チャーリー・パーカーが奏でるアルトの音は非常に存在感が強く、その歌心とアドリブの多彩さに圧倒される。そして、演奏は、
「現在でもこれだけのインプロヴィゼイションをぶちかますミュージシャンはそうそういないでしょ?」
 って思うぐらい、イケイケのガチなのだ。
 こういうのを聴いていると、『モダン・ジャズが世に出てきた当時の息吹を感じる』というよりも、『この時点で既にモダン・ジャズの根幹は、チャーリー・パーカーによって、完成されている』ということに気が付く。
 オヤジは、この「サヴォイ・レコーディングス~マスターテイクス」を聴くことで、
『何故チャーリー・パーカーが天才とよばれるのか?』
 そして、
『何故チャーリー・パーカーの後にも先にもジャズにおける天才が出現していないのか?』
 が良く分かると感じている。

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