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土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ バド・パウエル
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2009年9月某日の聴き流し日記

2009.10.17 Sat
 先月は小型のCDラジカセを購入して寝室に置いた影響で、半分寝ながら古いジャズアルバムを随分聴いた。今回はその中から3枚ほど頭に残っているアルバムのお話をしたい。まあ聞いてほしい。
コンサート・バイ・ザ・シー まずは、エロール・ガーナーの名盤「コンサート・バイ・ザ・シー」だ。
 音質的にはあまり期待できないチビッコCDラジカセに、驚くほど音が悪いこのアルバムをセットして流した時には、ちょっと情けなくなってしまった。
 そもそも僕は、エロール・ガーナーのアルバムはこの1枚しか聴いた事がなく、それほど好きなピアニストでも無いので、偉そうな事は言えないのだが、底抜けの明るさとコンサートの楽しさは十分に伝わって来たので、まあ良しとしたのだ。
 隣で聴いていた女房は、
「こんな落ち着かないアルバム、寝る時に聴かなくてもいいのに・・・。」
 と不満タラタラだったが、この落ち着かなくて、妙に腰が浮きそうになる原因が、彼独特のビハインド・ザ・ビートにある事を説明すると、
「はぁ・・・、変なの・・・。」
 との事だった。
 エロール・ガーナーは確かにちょっと変わったピアニストである上に僕好みではないのだが、「コンサート・バイ・ザ・シー」は巷で名盤と言われるアルバムなので、
「まぁ、半分寝ながら久しぶりに聴いておこう!」
 そう思っただけなのだ。
 で、最近こういうのが多い。考えてみると、当初チビラジカセを購入した目的は、
「寝る前に静かなボーカルかピアノを聴こう!」
 という事だったが、すぐにそんな目的は忘れてしまい、何故か普段は絶対に聴かない「コンサート・バイ・ザ・シー」のような名盤を流す事が多くなってしまったのだ。
 これは例えて言うなら、学生が漱石や鴎外の古典文学を読んで教養を身につけようとするがごとく、半分寝ながらマイルスやコルトレーンを流して、
「一応、名盤も聴いて勉強してますが、何か?」
 ぐらいの事が言いたいからなのだ。(←我ながら馬鹿じゃないかと思うが・・・。)
バグス・グルーヴ そんな訳で次も名盤。マイルス・デイヴィス「バグス・グルーヴ」だ。
 正直言ってこんなアルバム購入した時に流したきりで、先月まで触った事も無かった気がするのだ。ロクに内容も思い出せないくせに、
「今更なぁ・・・。」
 なんて偉そうなことをつい言いたくなるのを我慢して聴いてみた。で、感じた事を正直に書くと、
「何ともスタンダードで、正統派の4ビートだよなぁ・・・。」
 そう思った。
 「バグス・グルーヴ」というアルバムは参加メンバー全員がジャズ界では巨匠と呼ばれる人物ばかりで、その上マイルスとモンクの喧嘩セッションなんて話題性もあるハードバップ期の超名盤なのだが、あまりそういう事に惑わされる事無く、
「非常にクオリティーの高い演奏が続く良いアルバムだ。」
 と純粋に感じたのだ。
 まぁ、マイルス・デイヴィスのアルバムだから当り前と言えば、当り前過ぎる感想かも知れないけど・・・・。
バド・パウエルの芸術 最後は、バド・パウエル「バド・パウエルの芸術」だ。
 このアルバムもビバップ期のピアノの怪物バド・パウエルの名盤だ。例に洩れず、ほとんど聴いた記憶がない。
 理由は、バド・パウエル全般に言える事だが、妙に緊張感あふれる演奏から鬼気迫る雰囲気が頭に浮かび、同時にその裏にある苦悩の人生を感じてしまい疲れるからだ。
 それに、あの弾き急ぐようなジェットコースターアドリブを耳にすると、
「上手いのは分かるけど、胸騒ぎがするよなぁ・・・。」
 と毎回感じてしまい、そんな事から、いざバド・パウエルのアルバムを聴くとなると、何がしかの覚悟が必要な気がしてならないのだ。
 さて、今回ひっさしぶりに「バド・パウエルの芸術」を聴いたが、はっきり言ってこんなアルバム寝る前に聴くと夢見が悪い。選択ミスもはなはだしいと思った事だった。
 中身の話をすると、想像通り胸騒ぎがして、胸をえぐられるような感覚がある。
「どこが?」
 と言われてもなかなか説明出来ないのだが、無理に説明すると、僕は「バド・パウエルの芸術」から、『何回聴いても絶対に慣れる事のない微妙な緊張感と、バド・パウエル特有の深みにハマって身動きできなくなるようなロマンティシズムが混在した不安な世界』を感じるという事なのだ。よけい分かり難い話になったかも知れないが、「バド・パウエルの芸術」に僕が持った感覚はこれなのだ。
 さて、先月聴いたアルバムで頭に残っているのは、この3枚。
 今月に入ってもオヤジは寝る前のひと時、巨匠たちの名盤ジャズに親しんでいる。
「まあ、勉強のつもりで聴くのもイイんじゃないの・・・?」
 なんて思いながら・・・。

  
[Music Erroll Garner] [Music Miles Davis] [Music Bud Powell]



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バド・パウエルの「ジャズ・ジャイアント」を聴いてみた。

2009.11.19 Thu
ジャズ・ジャイアント 11月も後半に入り、ここ南国土佐でも気温はぐっと低くなり冬の訪れが感じられるようになってきた。冬が嫌いなオヤジは毎年の事ながら、
「これから数カ月間は、炬燵と熱燗と鍋だけが人生の楽しみだ・・・。」
 そんな事を考えている。
 さて、前回、ミシェル・ペトルチアーニのアルバムを聴いて以来(←記事はこちらです。)この数日間はピアノばかり聴いている。
 お決まりのビル・エヴァンスから始まって、キース・ジャレットハービー・ハンコックなんぞを聴いたのだが、久しぶりに聴いて、
「やっぱコイツは化け物じゃ。恐ろしや、恐ろしや・・・。」
 そう思ったのはバド・パウエルだった。
 まぁ半分予想していた事とは言え、アルバム「ジャズ・ジャイアント」には空いた口が塞がらなかった。
 とにかく何かに取り憑かれたような演奏は、鬼気迫る凄味と、とろける様なロマンティシズムがビンビン感じられて、
「何考えて演奏するとこんなになるのだろう・・・?」
 と、薄気味悪ささえ感じるほどだった。
 バド・パウエルのCDは最近ほとんど聴かないが、たまに聴いて底なし沼のような演奏に身をゆだねるのも悪くないと思った事だった。とにかく凄いアルバムなのだ。恐ろしや~恐ろしや~。

 
[Music Bud Powell]



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バド・パウエルの「コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル・Vol.1」をちょっと聴いてみた。

2012.12.11 Tue
コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル・Vol.1 1970年代のレインボーのライブアルバムを聴いていて、その昔シュディ・ガーランドが歌った名曲「虹の彼方に(Over The Rainbow)」の事を思い出した。
 オヤジは昔からこの曲が大好きで、恥ずかしながら二十数年前の自分の結婚式でもキャンドル・サービスに流して喜んでいたのだが(←マジで恥ずかしいぞ。)まぁ、そんな事は虹の彼方に追いやっといて、コノ曲実に色々なミュージシャンがカバーしている。ざっと頭に浮かぶだけでも、エリック・クラプトンレイ・チャールズサラ・ボーン。インストならキース・ジャレットの名演もあったように記憶している。
 で、オヤジがiphoneにダウンロードしてある曲の数々を「Over The Rainbow」で検索してみると、何とバド・パウエルのバージョンがあるのを発見した。アルバムは「コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル・Vol.1」だ。
「あらまぁ・・・こんな所にもあったのねぇ・・。」
 なんて呟いたのだが、実はこのアルバム、オヤジはあんまり好きではないのだ。と言うのも、そもそもバド・パウエルなんて疲れまくるので滅多に聴かない上に、同じ曲の別テイクが続くので飽きてしまうからだ。そんな訳でバド・パウエルの「虹の彼方に」なんて全く知らなかったが、聴いてみると、
「あぁ、やっぱりねぇ・・・実にバド・パウエルだわ。」
 だった。
 説明すると、曲の前半は高速のアドリブが続き、
「コレほんまに『虹の彼方に』かねぇ??」
 なんて思うのだが、後半で一気にバドのロマンディシズムが全開となる。ただ、このロマンティシズムは、オズの魔法使いのドロシーが虹を見上げて思いを馳せるような甘チャンなものではなく、バド独特の重くて一度踏み込むと身も心もドロドロになるような病的なロマンティシズムの世界で、まさしく彼の愛した薬とアルコールの泥沼へ引き込まれるような恐怖を感じてしまうのだ。
「コレもまた名演なんだろなぁ・・。」
 などと考えつつも、
「相変わらずバド・パウエルは疲れる・・。」
 なのだ。


[Music Bud Powell]

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