ビリー・ホリディの「奇妙な果実」を聴いてみた。いや、眺めただけ。

「寝る時に静かなジャズでも聴きたいわねぇ。」
などと言い出し、悪い気がしない僕も、
「おう!それは良い考えじゃ!」
とすぐに同調したからだ。
「んで、一体どんなジャズを聴く気かね?」
と僕が女房に聴くと、
「そうね~、静かなピアノかボーカルがイイわねぇ。」
なんて事を言う。
「静かなピアノかボーカルかぁ・・・。」
そう言いながら、僕は何枚かのアルバムを頭に浮かべたが、ピアノアルバムはすぐに浮かんでも、ボーカルアルバムはあまり浮かばなかった。
昨夜、
「寝る前に聴くボーカルアルバムって、正直、どれが良いのだろう・・・?」
そう考えながら、CDの棚を眺めていると、ビリー・ホリディの「奇妙な果実」が目に入った。見た瞬間、
「こいつは論外だなぁ・・・。」
そう思った事だった。
そもそも僕はビリー・ホリディというミュージシャンがあんまり好きではない。音楽的には全然悪い気はしないのだが、彼女の歌声を聴いていると、どうしてもあの不幸な生い立ちや、人種差別、「奇妙な果実」の詞のイメージが浮かんできて、げんなりしてしまうのだ。
こういうアルバムは、気力体力共に充実し、少しアルコールが体に回って、
「彼女の悲しみを正面から受け止めよう!」
そう思っている時しか聴けないのだ。それが証拠に購入以来これまで僕が「奇妙な果実」を聴いた回数は、片手で数えられるほどだと思う。
「名盤なのは分かっているがなかなか手が伸びない。」
そんな一枚なのだ。
[Music Billie Holiday]
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