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土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ フレットレスベース
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ジャコ・パストリアスの「ドナ・リー」とフレットレスベースの話。

2010.03.18 Thu
ジャコ・パストリアスの肖像

 大学2回生の頃というのは、僕自身バンドにも音楽にも一番燃えていた時期で、朝起きてから夜寝るまでの間、何かしらの音楽を常に聴いていたような気がする。とは言っても、聴いていた音楽の調達元は、ほとんどが当時住んでいた下北沢にあったレンタルレコード店で、聴いている音楽の幅は非常に狭かった。それでも高校時代の不便な音楽事情と比べると格段の差があり、新しくレンタルしたLPを聴く瞬間は嬉しくてたまらなかった事を覚えている。
 今回は、こんな日々の中でレンタルした1枚のアルバムに衝撃を受けて、結局は2本目のベースギターを手に入れた思い出話を書こうと思っている。お付き合い願いたいのだ。
 まず、僕が通っていたレンタルレコード店をもう少し詳しく説明すると、店は小田急下北沢駅のすぐ近くにあり、間口は狭いが店内はウナギの寝床のように奥が深く、J-POPから洋楽、ジャズに至るまでかなりの品揃えがあった。
 僕は毎回店の一番奥のジャズ・フュージョンの棚に取り付いて、
「今回はどれを借りちゃろか?」
 なんて思いながら、ジャケットをチェックするのが楽しみで、この時も並べられたLPを順番にチェックしていた記憶がある。
 そんな中、ジャコ・パストリアスのソロアルバム、「ジャコ・パストリアスの肖像」に目が止まった。当時このアルバムは発売されてすでに4年ほど経っていたが、僕はまだ聴いた事が無く、この時までに僕がジャコ・パストリアスの演奏を耳にしたのは全てウェザー・リポートでの演奏を通してだった。ジャコに対しては、
「非常に複雑で主旋律ともバッキングとも判断がつかないメロディーを弾くスーパーベーシストや。」
 そんなイメージを持っていて、凄い事は十分知っているが、自分が好きなスラップ系のベーシストとは全く異なる演奏スタイルからか、この時点では、それほど気になるベーシストではなかったのだ。
 何気無しに、
「ああ・・・ジャコのアルバムかぁ~。そういえば時々目にするけど、まだ聴いた事なかったなぁ~。ちょいと借りてみるか・・・。」
 と、軽い気持ちでレンタルし、アパートへ持ち帰った事を覚えている。
 早速、「ジャコ・パストリアスの肖像」をカセットテープへダビングしながら流し始めたのだが、1曲目の「ドナ・リー」で頭を殴られたような衝撃を受けた。元々、ジャコのベースが超テクニカルな事は承知しているつもりでも、この演奏には鳥肌が立って、
「うひゃ~!何じゃこれ?こんな事出来る奴は変態じゃ!病気じゃ!馬鹿じゃ!」
 そんな事をひとしきり叫び、すぐにベース片手に「ドナ・リー」をコピーしようと試みたが、そうは問屋は甘くない。この曲、少々の事では全く歯が立たない程難しいのだ。(←当り前だ!バカ!)
「しっかし、こりゃとてもじゃないが弾けたようなモンじゃないわ~。」
 なんて事をブツブツ言いながらも、この日から「ドナ・リー」を聴いた衝撃が頭から離れなくなり、何度か聴くうちに、ずっと頭の中で「ドナ・リー」が流れるようになってしまったのだ。
 僕は、
う~む・・・。何としても『ドナ・リー』をコピーしなくては・・・。」
 と、思うようになり、ベース片手に果敢にコピーに挑んでは、最初の数小節で挫折する事を繰り返していた。
 さて、今になって冷静に考えてみると、僕はこの時「ドナ・リー」という曲が気に入ったのもあるが、それよりもジャコのベースから流れ出て来る音質の虜になっていたのだ。
 フレットレスベース独特の立ち上がりが遅い音を、強いフィンガリングとブリッジ近くの硬いトーンで非常に粒がそろった魅力的な音質にしている事に感動し、実際は「ドナ・リー」をコピーするよりも、あのフレットレスベース独特の音を出したくてしょうがなかったのではないか?と思うのだ。それが証拠に、その後の僕は、どうしてもフレットレスベースを手に入れたくなり、色々考えた末に、当時使っていたヤマハのベースをフレットレスに改造し、新たにメインで使うベースを購入する計画を立てる事になったのだった。
 この年の夏休みの前半、僕はアルバイトに励み、ベース購入の資金に充てた事を覚えている。当時の僕はジャコに憧れたのは勿論の事だが、それ以上にフレットレスベースを手に入れる事で
「なにかと演奏の幅が広がるんじゃないか・・・?」
 そう考えていて、実際にフレットレスベースを手にするまでは、どんな曲を聴いても、
「これをフレットレスで弾くと、どんな塩梅になるかね・・・?」
 そんな事ばかり考えていた記憶がある。
 「ドナ・リー」という曲は僕にそれまで考えた事も無かったフレットレスベースの面白さを教えてくれたばかりでなく、
「何としてもフレットレスを弾いてみたい!」
 そんな衝動が抑えられなくなる罪な曲だったのだ。
 その後の僕は冬前に待望のフレットレスベースを手に入れて、何曲かこのベースを使い演奏した記憶がある。しかし、どう頑張っても「ドナ・リー」だけはコピーする事は出来ず、そのまま大学3回生の終りの頃にはフレットレスベースには全く興味を無くしてしまい、最終的に後輩にこのベースを売ってしまった。
 今思えば、
「手元に持っていても良かったなぁ~」
 なんて少々残念なのだが、学生時代の一時期、取り憑かれたように必死になった楽器の思い出として、このフレットレスベースの姿は頭にこびりついている。
 さて、今回改めてアルバム「ジャコ・パストリアスの肖像」から「ドナ・リー」を聴いてみた。そもそもこんな曲をコピーしようとするのが大間違いで、大人しく聴いているだけにするべきなのだ。(←こういうのを、弾けない奴の負け惜しみという。)現在聴くと、これに近いベースプレイをするベーシストが何人か頭に浮かぶので、プレイ自体には、
「あっそう!凄いね!」
 くらいの感動しか無いが、(←ひがみも随分入ってるけど。)曲自体からは、あの頃必死でコピーを試みたアパートの部屋の風景やフレットレスベースの姿がボンヤリ浮かんできて、懐かしくてたまらなかった。
 いずれにせよ、今では「ドナ・リー」という曲は僕の音楽人生の中では、ちょっと人騒がせで、迷惑な曲の印象が強く、熱し易く冷めやすい自分の性格を反省させられる曲だと思っている。

Jaco Pastorius - Donna Lee


 
[Music Jaco Pastorius]

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