ジョン・コルトレーンの「ブルー・トレイン」を聴いてみた。

若い頃は大根なんて見向きもしなかったが、この歳になると薄味で煮たアツアツの大根と燗酒のセットが冬の定番なのだ。
炬燵にでも入って、
「今夜は冷えるなぁ・・・。」
なんて言いながら大根を肴にチビリチビリと酒を飲む喜びは筆舌につくし難いと思っている。
で、こんな時には静かに演歌でも聴くのが気分なのだが、今日はジョン・コルトレーンの「ブルー・トレイン」の話をしたい。
「全然、関係無いじゃないか!おい!」
って怒られそうだが、まぁ聞いて欲しい。
オヤジは20代後半のジャズを聴き始めた頃、このアルバムがあまりピンと来なかった。悪くは無いのだが、コルトレーンらしさが感じられなかったのだ。というのも、当時のオヤジは、
「宗教的で内面がさらけ出たようなアドリブが延々と続くアルバムこそコルトレーンなのだ!!」
なんて事を無意識に考えていて、どちらかと言えば、何も考えずに自由に吹き抜いた感がある「ブルー・トレイン」は、主流から外れた印象を持っていたのだ。
ところが、先日久しぶりに聴いてみると、
「なんだ、楽しくてカッコいいアルバムじゃないか!」
単純にそう感じてしまったのだ。
「今頃、馬鹿じゃないの?」
なんて言われそうだが、それはあたかも若い頃は濃い味付けの肉料理しか美味いと思わなかったのに、久しぶりに大根を食べて薄味に隠された深い美味さを知ってしまったような感覚なのだ。
『目からウロコ』程では無いにしろ、
「あれ!?こんなんだったっけ?ゲゲゲッ!」
って思うぐらい、昔とは異なる感覚を持ってしまった。
オヤジにとって「ブルー・トレイン」は大根なのだ。
[Music John Coltrane]
FC2タグ : ジョン・コルトレーン ブルー・トレイン |
Category: Jazz/Fusion | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |