最近の睡眠用アルバムを3枚。
で、昨夜は早々にベッドに入り、ぼんやりテレビを眺めていたのだが、体は疲れているが、神経の方は妙に高ぶっていて、すぐに寝付けそうになかった。
「こんな時は、音楽でも聴きながらゆっくり眠りたいものだ。」
と思ったが、隣には女房が寝ているので、ラジカセをガンガン鳴らす訳にもいかず、そんな時に限っていつも使っているMDウォークマンは次男に貸し出し中で、しぶしぶテレビを消して眠りについた事だった。
思い出してみるのに、僕は昔から眠る時に、よくヘッドフォンをしたまま音楽を流しっぱなしで眠っていた。中学の頃は、寝返りも打てないような大型のヘッドフォンをあてて、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルなんかのハード・ロックやイエスやピンク・フロイド、キング・クリムゾンなどのプログレッシブ・ロックを聴きながら平気で眠っていたし、高校の頃はリー・リトナーやスタッフ、クルセイダーズなどのフュージョン系の音楽を聴きながら眠ったものだ。
さすがに最近はハード・ロックを聴きながら眠るような無謀な事はしないけれど、この歳になっても、寝る時に聴くお気に入りのアルバムが何枚かある。
部屋の明かりを全て消して、ベッドに寝転んでヘッドフォンから流れる音楽を聴いていると、曲の世界へどっぷりと浸かりながらいつしか眠る事が出来て、とても気持ちが良いのだ。
そんな訳で、今回は僕の睡眠用のアルバムを3枚ほど紹介したいと思う。
パット・メセニー・グループ「THE ROAD TO YOU」

中でもこの「THE ROAD TO YOU」というライブアルバムは、パット・メセニーの甘いギターの音と、高く乾いた音で鳴り続けるコンガのリズムに官能的なボーカルが絡み、不思議な音の世界がどんどんと広がってゆく。
僕はいつも宇宙空間を静かに漂う宇宙船をイメージしてこのアルバムを聴いている。これから眠りに入って行こうという時に、果てしない宇宙空間に抱かれているような感覚になるのは、実に気持ちの良い事で、ゆったりとした気分で熟睡出来るのだ。今の所、寝る時に聴くのには1番気に入っているアルバムなのだ。
スティーブ・カーン「モダン・タイムズ」

その後、僕が大学生の頃には自分のバンドを率いて来日し、六本木の「ピット・イン」で数日間ライブを行っている。偶然、僕もライブを見に行っていたのだが、この時の演奏が収録されたのが、アルバム「モダン・タイムズ」なのだ。まあ、ライブの細かい話は、改めて記事にしようと思っているのだが、そんな事もあり、個人的には非常に思い入れが深いアルバムで、寝る時以外でも、長い間折に触れて聴いてきた。
このアルバムの最大の特徴は、スティーブ・カーンのギターとマノーロ・バドレーナのパーカッションの作り出す音が、自由な広がりと、不思議な世界を作り出している事だと思う。
前出のパット・メセニーが宇宙的な広がりなら、こちらは「海」。何となく深海をゆっくり泳ぎ回る魚になったような感覚を持ってしまう。
深い海の底で、誰にも邪魔されずに眠りにつける。いい夢が見られそうな予感がするアルバムなのだ。
ジョン・コルトレーン「マイ・フェイヴァリット・シングス」

コルトレーンの音楽を聴きながら眠るというのは、かなり異様に思うかも知れないが、あくまでも、このアルバムに限った事で、他のコルトレーンのアルバムを聴きながら眠るなんて事は出来ない。
部屋を暗くして、「マイ・フェイヴァリット・シングス」を流し始めると、ソプラノ・サックスの音に乗って、
「俺は、このまま死んでしまうんじゃないか?」
と思う事がある。
非常に個人的な思い込みの話だが、僕は昔から、人間が死んで天国に行く時には、ソプラノ・サックスが三途の川のほとりで聴こえるような気がしてならない。それが、コルトレーンのようなアドリブなのかは定かではないけれど、ソプラノ・サックスの音に、宗教的な物を感じてしまうのだ。
こんな僕でも、
「宗教的な雰囲気や精神世界を感じながら眠りにつきたいぞ~。」
と思う事がたまにある訳で、そんな時にこのアルバムを聴くことにしている。
さてさて、ふっと思い出しただけなので、今の所この3枚しか頭に浮かばないが、とりあえずは、これが僕の睡眠時によく聴くアルバムだ。
考えてみるに、若い頃は、その時々で好きなアーティストのアルバムを聴きながら喜んで眠っていたのだが、この歳になると、逆に“気持ち良く眠る為のアルバム”を探すようになる。
「俺も、オヤジになったものだ・・。」
などと感じてしまった。
ま、いずれにしろ、一日の締めくくりに音楽を聴くのは良いもので、寝る時に聴くアルバムの選択肢が多いほど、その人の音楽人生は幸せな物だと思うのだ。
[Music Pat Metheny] [Music Steve Khan] [Music John Coltrane]
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