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土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ ラグリマ
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タルレガの「ラグリマ」(涙)で奇麗な音を練習した話

2007.05.20 Sun
 僕は、中2になる頃には、すっかりクラシックギターに、のめり込んでいて、クラブの顧問の先生や先輩達から、そろそろギターを購入するように言われていた。自分でも、部室のボロボロのギターより、自分専用のピカピカのギターが欲しかったので、同級生数人と、早速、顧問の先生に注文した記憶がある。
 1ヶ月ほどして、注文のギターが届き、初めて音を出した時、かなり戸惑った記憶がある。大きい、抜けるような音が出ないのだ。それまで使っていた部室のボロボロのギターの方が、何倍も抜けるようないい音が出るのだ。顧問の先生は、
「どんどん弾き込んだら、鳴るようになってくるわ。そうやって、だんだん自分の楽器にしていったらえいわえ~。」
とアドバイスをしてくれた。
 それから暫くの間、この楽器と格闘した結果、少しずつクリアで大きな音が、前に出せるようになっていった事を覚えている。
 もう一つ、新しいギターで僕が意識したのは、甘く、美しい音を出す事であった。右手の指と弦の当たる角度、右手の爪の長さ、爪を削る角度、弦を弾くタイミングを微妙に変えて、1番綺麗な音の出る方法を必死で探して、練習した記憶がある。
 どうしてこの時期、僕がクラシックギターの練習で、大きな音と甘く綺麗な音質にこだわったのかというと、当然、初めて手にした自分のギターを弾く喜びに浮かれすぎて、頭の中が9割以上ギターの事になっていたせいもあるが、他に、どうしても弾きたい曲があったのだ。タルレガの「ラグリマ」(涙)という曲である。
 「ラグリマ」という曲は、スペイン語で涙という名前の通り、非常に美しい曲で、ギターのテクニック的には初心者でも十分弾く事が出来る曲であると思う。僕はこの曲の美しさに感動した事もあるが、もう一つ、この曲を演奏したいと思った大きな理由があった。それは">、“「ラグリマ」は、奏者によって、全然違う世界を醸し出す曲だ”と感じたからだ。実際、クラブの先輩達が、この曲を演奏するのだが、同じ曲でも、全員が全員それぞれ微妙に異なる雰囲気があった。
当時、ギター部の顧問のI先生は、
「曲の練習は、歌う事が大事でぇ。よう歌いよ~。」
と、しょっちゅう言っていた。この“歌う”の意味は、声を出して歌うのではなく、“演奏しながら頭の中で何度も歌え”という意味で、この事はクラシックギターのみならず、何の楽器を演奏するにも、非常に重要な事だと思う。
「ラグリマ」はその美しく分かり易いメロディーから、実に歌いやすく、技術的にもそれほど難しくないので、思い入れたっぷりに演奏出来る曲だ。僕が感じた先輩達の演奏の微妙に異なる雰囲気とは、一人一人が、頭の中で歌った「ラグリマ」がそれぞれ個性をもって、ギターで演奏された結果だった。
そんな訳で、僕も自分の「ラグリマ」を完成させるためには、どうしても新品のギターでクリアな甘く美しい音を出す必要があったのだ。
 さて、改めて聞いてみると・・・。いや~懐かしい。クラシックギターの真髄ここにあり!てな感じがした。今思うと、この曲は、あんまり感情を込めすぎないで、サラッと演奏した方が、ワシら中年のおじさんの胸には響いて来る気がする。
調子に乗って、久しぶりにクラシックギターを引っ張り出して、「ラグリマ」を弾いてみた。(←引っ張り出したギターは、この時、中2の時に購入したギターです。)前半部分ぐらいなら、なんとなく覚えていて結構弾けるもので、3~4年前に弾いたきりなので、弦が錆びているけれども、なかなかいい音が出せた。
 僕はこの曲の練習で、頭の中で歌う事の大切さを知った。これは、その後、フォークギターを弾く時も、エレキギター、エレキベースを弾く時も全て言える事だった。この曲は、僕に楽器を演奏する時の基本となる最も大切な事を学ばせてくれたと思うのだ。

Lagrima : Tárrega



[Music Francisco Tarrega]



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Category: 中学2年の頃 | Comment(0) | Trackback(3) | top↑ |