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土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ 偉大なる聴衆へ
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カンサスの「超大作」で思い出すお好み焼の話。

2007.08.26 Sun
偉大なる聴衆へ

 高校の頃、僕は毎週欠かさずにNHKのFM放送で「渋谷陽一のヤングジョッキー」という番組を聴いていた。
 この番組は、雑誌の写真でしか見た事の無かった色々なロックバンドの音を実際に聴く事が出来て、情報が少ない土佐の田舎の高校生には、とても有り難い番組だった。年末には、確か「私の好きなロックバンドベスト10」みたいな企画があって、実に面白かった記憶がある。
 カンサス「偉大なる聴衆へ」というライブアルバムを知ったのもこの番組だった。
 イエスやELPなどのプログレッシブロックが好きだった僕は、カンサスというバンド名は知っていたが、実際に聴いた事がなく、“なんとなく荒削りなアメリカのプログレバンド”
みたいなイメージを持っていたが、このライブアルバムをラジオで聴いた時、
「このLPは買いや!カンサス、なかなかえいぞ!えいぞ!」

と思った。
 とは言っても、すぐに小遣いがなくて、結局2ヶ月ほどしてから蓮池町のミヤジ電気のレコード売場で手に入れる事が出来た。(←二枚組みのアルバムなので高かった気がする。)
 翌日から、学校で僕があんまり
「カンサスがえいぞ!中でも超大作の演奏がすごいぞ!おい~。」

と騒ぐので、
「ほんなら、聴かしてみいや~。LP貸してくれや。」

という事になり、まずは、バンドのドラムのN田君に貸し出す事にした。
翌日、クラブが終って、N田君ら同級生数人と
「何か食べて帰ろう。」

という事になり、学校の裏手にあった当時僕らの間で“中納言”と呼ばれていたお好み焼屋に行った。
 この店は、当時の僕らがしょっちゅう寄っては、お好み焼や焼きソバやラーメンを食べて帰った店で、安くてボリュームがあった。中でも、焼きソバがお好み焼の間にサンドイッチされたモダン焼きは他のメニューを圧倒していて、食べ盛りの高校生でも、完食すると、暫くは腹がいっぱいで動けなかったように思う。 店主のおばちゃんは、
「モダン焼きは高校の頃食べよった子でも、卒業して2~3年して懐かしがって食べに来ても、ほとんどの子が全部よう食べんねぇ~。」

 なんて言っていた。
 さて、僕達は、
「おばちゃん、俺、イカ玉の大!」
「俺は、焼きソバの大!」
「俺は久しぶりにモダン焼きにしょうかなぁ~」
「お!モダン焼きか~えらい気合が入っちゅうにゃ~。」
「お~。めちゃくちゃ腹が減っちゅうきねぇ~」

なんて言いながら、一通り注文した後で、僕はテーブルに「偉大なる聴衆へ」のアルバムを取り出して、N田君にこのアルバムの良さを延々と話した記憶がある。
 カンサスの何がそんなに気に入ったのかと言うと、その当時僕が持っていたプログレッシブロックへの不満を少しばかり解消してくれた事だ。
 当時の僕はバンドの上手さは、演奏テクニックが全てだと思い込んでいて、そんな思いからプログレッシブロックが好きになり、イエスにのめり込んできた経緯があった。
 しかし、
「ずっとイエスばかり聴いているわけにもいかず、そうかと言って、僕の思いを満足させるような新たなバンドが無い。」

 という不満が溜まっている時に、変拍子や複雑な曲構成、各楽器のテクニックを楽しめて、ハードロックも感じるカンサスを聴いていっぺんに好きになったのだ。
 今回、改めて聴いてみると・・・。
 そういえば、「すべては風の中に」もカンサスの曲だった事を思い出した。この美しい曲は時々テレビなんかで耳にするのだが、僕の中にあるカンサスのイメージとなかなか結びつかない。僕の中のカンサスは、よりハードで、複雑で、大盛りのお好み焼のイメージなのだ。久しぶりにどんどんと押しまくる演奏を、最後まで聴いて行くとさすがに疲れたが、最近ライブアルバムを聴いて、疲れるなんて事も無かったので、まあ良しとしたのだ。

Kansas-Dust In The Wind





[M;Kansas]



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カンサスの「偉大なる聴衆へ」を聴いてみた。

2014.05.14 Wed
偉大なる聴衆へ 土曜日の午後、ひっさしぶりに半日ほど時間が空いたので、これまたひっさしぶりに、プログレッシブ・ロックを聴いた。
 オヤジの場合、プログレは他の洋楽やジャズみたいに“ながら聴き”をやると、何が何だか分からなくなってしまい、最終的には退屈してしまう事が多いので、今回のように時間が取れる時に、真面目に耳を傾ける事にしている。逆に言えば馴染みの無いプログレを聴く場合には、
「この訳の分からん演奏の裏には絶対何かあるはずだ・・・。」
 なんて事を地味に考えながらしっかり聴くと『分かったような気分になる!』って事なのだ。(←いかげんだよなぁ・・。)
 さて、そうは言っても、今回は聴こうという意気込みだけで、
「コレが聴きたい!」
 ってアーティストやアルバムがある訳では無かった。そんな訳で、毎度の事でCDの棚をゴチャゴチャ引っかき回す事になったのだが、最終的に、
「おお!コレでもいくか!」
 なんて見つけたのがカンサスの懐かしい2枚組ライブ・アルバム「偉大なる聴衆へ」だ。
 オヤジがこのアルバムを初めて聴いたのは今から35年も昔の事で、以来、これまで折に触れて何度も聴いてきた。正直言えば、このアルバムなら『ながら聴き』なんて全然OK、ほとんどが鼻歌で歌えるレベルだ。
「おい!前置きで話したブログレの聴き方と随分違うじゃないかよ!」
 なんて怒られそうだが、そんな事は都合よく無視して「偉大なる聴衆へ」の全編を大音響で一気に楽しませてもらった。
 このアルバムの良い所は、古いアルバムにもかかわらず音のバランスが非常に良い点にある。昔のライブにありがちな、録音状態が悪くて『全部の楽器の音が塊となって聴こえてくる』なんて心配がなく、その上で、それぞれの曲がスタジオ盤よりも数倍の迫力をもってスピーディーに展開されるのだ。
 また、カンサスの場合、プログレッシブ・ロックの中でもかなり分かり易い部類のバンドなので、眉間に皺を寄せて考え込むような事が無く、楽しく一気に聴ける点も良い。
まぁ、70年代の後半のアルバムなので、『音自体が古臭い!』と言われればそれまでだが、オヤジは高校生の頃からずっと名盤だと思っている1枚である。
 皆様聴いてみなはれや。

 
[M;Kansas]

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