ハービー・ハンコックの「V.S.O.P~ニューポートの追想」を聴いてみた。

「やっぱビル・エヴァンスのピアノはウイスキーと一緒に聴かないとダメだわなぁ・・・。」
などとしょうもない事を一人呟くのだ。
で、先日ウイスキーのお供にしたのは、ハービー・ハンコックの名盤「V.S.O.P~ニューポートの追想」だ。まぁ、今更何だかんだ言う必要も無いくらい有名なアルバムなので、オヤジが話をしてもしょうがないが、まぁ聞いてほしい。
このアルバムは2枚組の大作で、個人的にはフュージョン・ファンク的な色彩が濃い2枚目よりも、マイルスの門下生が勢揃いした感のある1枚目の方が好きだ。そんな訳で、感想は1枚目をメインにするが、約12年ぶりに聴いてまず思ったのは、『大御所が揃ったアルバムなのに皆が本気だ』って事。
オヤジは昔からこのアルバムに、ハービーの軌跡を再現するのに、大御所ミュージシャンが集まったお祭り騒ぎ的なイメージを持っていた。しかし、久しぶりに聴いてみると、お祭りなんてモンじゃなく、完全にガチ。真剣勝負の演奏は聴く者をグイグイと引き付ける。
試しに「処女航海」を流してみなはれ。この曲の幻想的な世界はブルーノートのスタジオ盤以上に神秘的で、『これから何かが始まるぞ!』的な期待に満ち満ちた演奏だと感じてしまう。
このライブが行われた当時(←1976年)はフュージョンがジャズ界を席巻していた時代でもあり、そんな時期に演奏された彼等の緊張感あふれるジャズは、逆にとても新鮮であった事がすぐに想像出来る。
そして、お祭り騒ぎがその後の長期的な「VSOP」の活動に繋がったのではなく、あくまでも高度な音楽性とそれに伴う互いの刺激が後の活動を運命付けた事が理解できるのだ。
いやはや、久しぶりに聴いたけど、水割りを飲むのを忘れるくらい真面目に聴いてしまった。最近ではこんなの珍しいよなぁ・・・。
[Music Herbie Hancock]




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Category: Jazz/Fusion | Comment(4) | Trackback(0) | top↑ |