思い出してみると、先月の後半は私用でバタバタと忙しかった上に、急に寒くなり、夜自分の書斎へ行くのが面倒でゆっくり音楽を聴く時間が無かったのだが、逆に前半は毎晩のように音楽を聴きながら酔っ払っていた。
10月の初めは、夜でもまだTシャツに半パンで過ごせるくらいの気温だったので、ビールや水割り片手に夏の終りを楽しみながら色々なアルバムを聴いたのだ。今日はその中から、頭に浮かんだアルバムの事をお話したい。

まずは、
アストラッド・ジルベルトの
「ザ・アストラッド・ジルベルト・アルバム」というアルバム。
僕は、
アストラッド・ジルベルトの
ボサノヴァの気だるい歌声は、真剣に耳を傾けるたぐいのものではなくて、雰囲気を楽しみながら、何かの片手間に耳に入ってくるのが最高だと思っている。そして、知らぬ間に彼女の歌声に抱かれて眠ってしまう事が、このアルバムの楽しみ方の真骨頂だと感じている。
(←この辺の超個人的意見は相変わらず自分勝手だと思うがしょうがない。勘弁してくれ。) 先月も休日の午後、自分の机で雑誌を読みながらコーヒー片手に静かにこのアルバムを流していた。その時、雑誌の記事からスッと意識が現実に戻ると、静かに流れてくる歌声から、
「ああ・・・、夏が終って秋がやってきたなぁ・・・。」 なんて事を感じて、またもや超個人的な意見だが、
「この時期に流すのには、ピッタリのアルバムだなぁ。なるほど・・・ええぞ、ええぞ~。」 と感じた事だった。そして後はお約束のように心地良い昼寝を楽しんでしまった。
僕の中では
「ザ・アストラッド・ジルベルト・アルバム」は夏の終りの昼寝用アルバムなのだ。


次はここで紹介するのが恥かしいのだが、
ランナウェイズの
「ザ・ランナウェイズ」というアルバムだ。
先週女房の買物に付き合って、高知市内の雑貨店に入った時に、店内で流れていた曲が、何と、
ランナウェイズのデビュー曲
「チェリー・ボンブ」だった。
僕は
ランナウェイズの曲はこの1曲しか知らないのだが、この曲を聴いて、頭の中に浮かんできたのは、恥ずかしい事にボーカルのシェリーの下着姿だった。
「そういえば、あの下着姿で歌うチェリー・ボンブは、中学生には刺激が強過ぎたなぁ・・。当時は鼻血が出そうになったぞ・・・。」 そんな事を考えながら、週末にレンタルした
ランナウェイズのデビューアルバム
「ザ・ランナウェイズ」から
「チェリー・ボンブ」を改めて聴いてみた。
んで、感想は、
「どうって事ない曲だよなぁ~。」 なのだが、やっぱり頭に浮かぶのは下着姿ばかりだったのだ。
「チェリー・ボンブ」は、オヤジになってもスケベな事だけは全然変わっていない事を思い知らされた曲だった。実に情けないのだ。
そうそう、変な言い訳をさせてもらうと、ギターの
ジョーン・ジェットが後に出した名盤
「アイ・ラヴ・ロックン・ロール」は、スケベ云々関係なく大好きです。
(←言い訳になってないぞ!)
話がスケベ方向へ傾きかけたので軌道修正して、次はジャズのアルバム。
リニー・ロスネスの
「リニー・ロスネス&スーパー・フレンズ」を聴いた。しかしこれも女性で美人だ。
考えてみると先月は女性アーティストのアルバムばっかり聴いている。これはスケベじゃなくて偶然の事で、珍しい事なのだ。こうなったら、今回は女性アーティストのアルバムばかり記事にしようと思う。
話がまたそれたが、
「リニー・ロスネス&スーパー・フレンズ」は
リニー・ロスネスのデビューアルバムで、20年近くも前に音楽雑誌で絶賛されていたのを読んで、すぐに購入した記憶がある。
彼女と
ブランフォード・マルサリスの奏でる1曲目の
セロニアス・モンクの
「ブライト・ミシシッピー」のリフを聴くだけで、このアルバムのレベルが非常に高い事がすぐにわかる。前出の
ブランフォード・マルサリスや
ウェイン・ショーター、
ハービー・ハンコッック、
ロン・カーターの一流どころとの共演にも拘らず、臆することなく弾きまくる彼女の魅力にクラクラした。
そして、その後現在までずっと聴けるスマートで繊細なアドリブはデビューアルバムから冴えており、やっぱりタダ者じゃない貫録がうかがえるのだ。いずれにしろ、大胆さと女性らしさを合わせて聴ける上等のアルバムなのだ。

最後は
アン・ルイスのベストアルバム
「アン・ルイス・ベスト・セレクション」の話。
僕は名曲
「恋のブギウギ・トレイン」を聴いて以来
アン・ルイスのファンになり、あの独特の歌声と、良い意味で期待を裏切るような曲を次々に発表し続けていた80年代の作品がお気に入りだった。
今回も
「六本木心中」を始めとするその辺の曲を楽しもうと流し始めたのだが、意外に1曲目の
「グッド・マイ・ラブ」を聴いた時に、その何とも言えない優しい歌声に鳥肌が立ってしまった。
時代の先端を走っていた
アン・ルイスも良いが、こういうシンプルなラブ・バラードをやさしく歌い上げる歌唱力の方にもオヤジは引かれるのだ。
これは自分が中年になったせいもあると思うが、時代の先端で妙に突っ張ったイメージの曲よりも、可愛らしくストレートに思いを歌う曲の方が何年経っても色褪せる事無く魅力的に思えるのだ。
さて、今回の聴き流し日記は、何故か女性アーティストばかりの話になった上に、全員が美人だ。
「たまにはこういうのもいいんじゃないか?」 とスケベオヤジは考えている。
[Music Astrud Gilberto] [Music Runaways] [Music Renee Rosnes] [Music アン・ルイス]