松原みきの「真夜中のドア」を聴いてみた。

「しかし暑いねぇ・・・。」
なんて汗を拭き拭き、テレビのチャンネルをポチポチ替えていた。すると、ケーブル・テレビの音楽チャンネルで『70年代アイドル・ヒット曲ベスト50』なる番組に行き当たった。
つい手が止まり眺めていると、まぁ~出てくる、出てくる。ピンク・レディーにキャンディーズ、山口百恵に麻丘めぐみ、天地真理に安西マリア・・・オヤジが小学校の頃から高校に入る頃までの曲が次から次へと流れてゆく。
「懐かしいねぇ・・・。この番組、最初から見たかったわ。」
なんて思っていると、ある曲が流れ始めて、オヤジは『あれ?』ってなってしまった。その曲とは、松原みきの「真夜中のドア」だ。
そもそも、「真夜中のドア」は70年代のアイドル曲って言うには違和感があり過ぎる。79年の発売なので、70年代の曲である事は間違いないが、曲の中身は既に80年代の半ば。この曲からは、あのバブルが膨らみ始め、どんどんと派手になる世の中で、カッコつけた恋愛を繰り広げる男女の雰囲気が漂ってくる。「真夜中のドア」には、70年代アイドルが歌う『おとぎ話的な青春あこがれ物語』とは全く異なる世界があるのだ。
随所で聴けるローズ・ピアノの音。ギターのカッティングのキラキラ感。お決まりのシンコペーション。どれを取っても80年代のオシャレ邦楽のお約束的な音がして、オヤジのような人間には実に気持ちが良い。そして、番組内で流れる他の70年代のアイドル曲と比較すると、この79年の「真夜中のドア」辺りから、巷で流れる音楽、もっと大袈裟に言えば世の中の雰囲気が、ガラリと変わった事が非常によく分かるのだ。
「ひょっとして、『真夜中のドア』は80年代のオシャレ邦楽のはしりなのか?凄い曲を発見したかも知れない・・・。」
なんて考え、オヤジは密かにほくそ笑んでしまった。コレ、貴重な一曲かも知れません。
アーティスト別過去記事検索へ <洋楽編> <邦楽編> <ジャズ・その他編>
MIki Matsubara - 真夜中のドア / Stay with me
[M;松原みき]


