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土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ ロッド・スチュワートの「セイリング」で思い出す高熱ライブの話。
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ロッド・スチュワートの「セイリング」で思い出す高熱ライブの話。

2008.06.22 Sun
アトランティック・クロッシング


 高校3年になると、学校の雰囲気が受験一色になってしまい、バンド活動どころでは無かったのだが、そんな中でも1回だけ人前でギターを弾いた記憶がある。只その時の演奏は、あまりに酷い出来だったので、逆に忘れられない思い出となって頭に残っている。今回はそのお話だ。
 高校最後の運動会も終り、季節が冬へと移る頃、僕は高校を卒業する寂しさから毎日をなんとなく暗い気持ちで送っていた気がする。そうかといって、特別勉強をする訳でもなく、下宿に帰ると好きな音楽ばかり聴いていて、今考えると、
「我ながら呑気なものだったなぁ・・・。」
 と思ってしまう。
 そんな日々を過ごしている時に、僕が所属していたギター部の1年後輩のH渦君とその友人達から、
「先輩~。僕ら来月ミニライブをやるがですけど、その中の2~3曲ギター弾いてくれません?K藤先輩にはベース弾いてもらうように、了解取ったんですけど・・・。」
 なんて、話があった。
「へ~っ。お前らライブやるがか?それは面白そうやねぇ~。K藤がベース弾くならしょうがないにゃ~、よっしゃ!やろうやろう!」
 てな具合に、二つ返事でOKを出した事を覚えている。
 この時の僕は、毎日の悶々とした生活がちょっと嫌になっていて、
「大きな音でギターでも鳴らして、ストレスを発散したい。」
 そんな風に思っていたのだ。
「で、曲は?何の曲のギターを弾けばエエの?」
 と聞くと、
「あっ、曲はですねぇ、まず・・・・・」
 話を聞いてみると、どちらかと言えばフォークソングに近い感じの曲が多く、僕が期待していたように、『ギターをかき鳴らしてストレスを発散させる!』という事にはなりそうもない曲が並んでいたが、贅沢も言えないので、早速サポートする合計3曲のコピーに取り掛かった。
 そんな中の1曲がロッド・スチュワート「セイリング」だった。「セイリング」という曲は、日本でもアメリカでも大ヒットしたナンバーなので、誰でも一度は聴いた事がある曲だと思うが、ロッド・スチュワート独特のハスキーな歌声が冴えるバラードの名曲だ。僕も当時から大好きな曲で、バックで弾くギターのアドリブを何度も練習した記憶がある。
 サポートする3曲は、「セイリング」をはじめ、どの曲も難しい曲ではなかったので、僕はちょっと退屈しながらも、
「まあ、俺も一応受験生やし、あんまり難しい曲を何日もかけて練習する訳にもイカンわなぁ~。」
 などと妙な余裕をかましていた事を覚えている。
 さて、何回かの練習を重ねるうちに、本番当日の朝がやってきた。その日は土曜日で、我々のミニライブは昼食後の午後に行われる事になっており、何人かの友人も、見に来てくれる事になっていた。ただ、その日の朝、僕はなんとなく体調の異変を感じていた。体がだるく、少し腹痛がするような気がしたのだ。でも、そんな事を気にしていてもしょうがないので、普段通り自転車を漕いで、学校に向かった。
 1時間目の授業が始まり暫くした頃から、朝気になった体調に異変が起こり始めた。腹が痛くてたまらないのだ。休み時間にトイレに駆け込むと、酷い下痢で、2時間目の英語の授業中も腹痛は続き、またも休み時間にはトイレに駆け込み、3時間目も同じ事の繰り返しで、いい加減、
「保健室で寝ていようか・・・?」
 と考えたが、このまま保健室へ行くと、保健の先生に、
「すぐに医者へ行くか、帰宅するように!」
 と言われる事は目に見えている。
「そうなると、演奏出来なくなる。とにかく耐えなくては・・・。」
 と、4時間目の授業が終了するまで必死で頑張ったのだ。そのうち、体の中から出る物が無くなったせいか、下痢は止まったが、猛烈な寒気を感じて、熱がどんどん上がっていくのが分かった。
 僕は、授業が終ってヘロヘロの状態でミニコンサートをやる教室まで行き、友人や後輩達が機材を準備するのを横目で見ながら、並べられた客席の椅子の上で寝ていた記憶がある。ライブは、閉め切った教室に暗幕を張って、スポットライトを当てて行われるので、冬とは言っても教室内の温度はかなり高くなり、みんな学ランを脱いで準備作業をしていたが、僕は学ランの下にセーターまで着込んでブルブル震えていた。
 友人達は僕を囲んで
「おい!死んでもええけど、ギター弾いてからにせい!『立派な奴やった』って言いながら骨は拾うちゃる。」
 とか、
「心配するな。熱があってボーっとしちゅう方がええアドリブが弾ける。」
 などと好き勝手な事を言っていた。
 そんな中、コンサートは予定通り始まった。僕がサポートする曲の順番が来た時に、僕は椅子に座ってギターを弾いた。高熱の為に、立っているとフラフラするのだ。それでも、始めの2曲は上手く切りぬけて、ミスもなかった。自分でも、
「ああ・・・・。これならなんとか最後まで演奏出来るな~。まあ、良かった、良かった。」
 などと思い、演奏はサポートする最後の曲の「セイリング」に移った。が、ここで最初の音をいきなり間違えた。
「ヤバイ!」
 と思った瞬間に、頭の中が真っ白になった。それと同時に眩暈がした。なんとか立て直そうとするが、一瞬コードが分からなくなる。曲はどんどん進んでいって、意識が朦朧とし、ヘロヘロの状態で僕のアドリブになった。が、ギターのボリュームを上げる事を忘れていて、音がほとんど聞こえない。慌ててボリュームを上げて、途中から弾き始めると、いきなり調子っ外れの音。フレットの位置を間違えてる。指が動かない・・・・・。その後は、もうメチャクチャ、惨憺たる演奏をしてしまい、後の事はほとんど記憶がない。
 友人の1人に下宿まで保険証を取りに行ってもらい、学校の近くの病院で熱を計ると40度あった。医者に、
「あんた、しんどくないのかね?脱水症状になりゆうがね。」
 と言われた記憶がある。只一言、
「すごいしんどいです・・・・。」
 と言って、点滴を受けて、薬をもらい、フラフラと下宿へ帰って寝ていた記憶がある。
 さて、僕の体調は薬を飲みながら2日ほど寝ていたら、熱も下がってすっかり元通りになったのだが、この時の「セイリング」の演奏体験は暫くの間僕の頭の中に苦い思い出となって居座り続けた事を覚えている。
 今日久しぶりに古いカセットテープを引っぱり出して、「セイリング」を聴いてみた。さすがに名曲。ロッド・スチュワートの個性的な歌声から、海のゆったりした雰囲気を十分に感じる事が出来て、しみじみと感動してしまった。でも、なんとなく腹が痛くなりそうな気がした事も事実だった。

Sailling : Rod Stewart





[Music Rod Stewart]


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Category: 高校3年の頃 | Comment(4) | Trackback(0) | top↑ |
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「セイリング」の思い出、ちょっとトラウマだったんですね~
この時代のロッドはあんまり聞きませんがいい曲です。
フラミンゴ~♪って曲も好きでしたね。
青春の思い出ってワリとそんな苦い過去が多いんじゃないかな!?
- | まり | URL | 2008.06.24(Tue) 20:23:20 | [EDIT] | top↑ |

>まり様

「青春の思い出は苦い過去。」
ホントその通りですね。
まあ、今となっては笑い話ですが、当時は必死。
メロディーの美しさからは想像もつかない酷い思い出なのだ。
あ~~、また腹が痛くなってきた・・・。(笑)
- | 土佐のオヤジ | URL | 2008.06.25(Wed) 09:53:25 | [EDIT] | top↑ |

素敵な思い出ですね(^^;)!
すごく青春していて、本気で羨ましいです。
私は、ライヴで歌詞を忘れる夢に苦しめられた時期がありました(汗)。
- | 波野井露楠 | URL | 2008.06.28(Sat) 16:16:48 | [EDIT] | top↑ |

>波野井露楠様

あははは~。
僕も昔、本番に歌詞を忘れて、1番も2番もどちらも1番の歌詞で誤魔化したことありますね。
まあ、この時は、最初からあんまり覚える気が無かったんですが・・・。
「よくある事、よくある事!」
なんてね。

- | 土佐のオヤジ | URL | 2008.06.28(Sat) 19:28:24 | [EDIT] | top↑ |

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