ギターオヤジのディストーション・サウンドへの憧れ。
「昔とは大違いや・・・・。」
と思った事だった。

今聴いてもこのアルバムのギターの音にはしびれる。1曲目の「AREA CODE」が流れ始めると、実に上品で深みのあるディストーション・サウンドが広がり、20年以上も昔に発売されたアルバムなのに、今なお新鮮でカッコイイと思ってしまうのだ。
当時このアルバムのギターの音を再現しようとしていた友人は、自宅の部屋に数々のエフェクター類を買い込み、日夜試行錯誤を繰り返していたが、これが今ならマルチ・エフェクター1台で、7割方はそれっぽい音が再現できるのではないかと感じてしまう。いやはや、世の中の進歩は目覚ましいと思ってしまった。
昔は、こんな風に、音に憧れたギタリストが何人もいた。テクニックやフレーズに憧れる前に、
「おお~、カッコエエ音やのぅ~。俺もこんな音を思いっきり出してみたいぞ~。」
そんな風に、そのアーティストが最初に出した音が気に入って、すぐに好きになってしまう事がよくあったのだ。
で、その“カッコエエ音”とは、何と言ってもエレキギター独特の、あの伸びのある歪んだ音で、ディストーションと呼ばれるエフェクターの効果が効いた音だった。

それが証拠に暫くの間このアルバムを聴く度に、
「一体どうやったらこんなに分厚くて、それでいて温かみを感じる音が出せるのだろう?これは、どうもギターに秘密があるのかね・・・?」
などと首をかしげて考え込み、月とスッポンほど音が違う自分のギターを、
「やっぱ、安物じゃイイ音は出ないわな~。」
なんて事を考えながら、ボンヤリ眺めていた記憶がある。
その後、大学生になってからは、聴く音楽がフュージョン中心になり、前出の鳥山雄司のような上品なディストーション・サウンドが好きになっていったのだが、この頃聴いていたアーティストの中で、もう一人ギターの音が非常に印象に残っているのが、当時人気があったインストルメンタル・バンド「パラシュート」の今剛が作り出すディストーション・サウンドだ。

当時はベースを弾いていて、ギターを全然弾いていなかった僕自身も、
「この曲は一度ギターで弾いてみたいものじゃ・・・。」
なんて事をぼんやりと考えていたので、今回古いカセットテープを引っ張り出して、聴いてみると、
「こりゃ~、ギターを弾く人間にとっては、何ともたまらん曲じゃ~。」
そう感じて、涙が出そうになった。
まあこんな風に、音にしびれるギターの名曲を思い出し始めるとまだまだ浮かんできそうなのだが、僕はギターを弾く喜びの中の一つは、
『粘りのあるディストーション・サウンドで思いっきりチョーキングする事にある。』
と思っている。オーバーに言えば、
「これが無ければギターを弾く魅力は半減してしまう。」
とも感じているのだ。
考えてみると、ギターを弾き始めた頃からずっと持ち続けている僕のディストーション・サウンドへの憧れは、この歳になっても全然変わる事がない。現に今でも魅力的な音を聴き、その音で思いっきりチョーキングするギタリスト達の恍惚の表情を思い浮かべるだけで、鳥肌が立つ事だってあるのだ。
そして僕は、
「これからも、多分自分が元気で生活している間はずっとこの憧れを持ち続ける事になるんじゃないか?」
と感じている。まあ、先の事は分からないけど、逆にこの憧れが無くなった時には、自分が老人になってしまった事を悟らねばならないとも思っているのだ。
何れにしろ、僕はディストーション・サウンドへの憧れが続いているうちに、もっと素晴らしいギターの音を聴いて、ゾクゾクしたいと思う気持ちでいっぱいなのだ。
鳥山雄司 - AREA CODE
Van Halen - You Really Got Me
今剛 - AGATHA
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Category: 自分勝手な話 | Comment(4) | Trackback(0) | top↑ |
チョーキングしてる時に顔がサンタナみたいになった経験ありませんか?
エディー・ヴァン・ヘイレンは70年代最後のギター・ヒーローでしたね。
僕も彼のプレイにおお、カッコイイ!と大喜びしました。
ディストーション・サウンドに血が騒がなくなったら確かに年寄りだなと思います。
ところで、高校時代学校一ギターの上手い友人が、「ヴァン・ヘイレンは俺でもきついところがある」と言っていて「へえ」と思った思い出があります(^^;)。
彼は、今はギタリストの夢を諦め、楽器屋の正社員をしています。
高校時代…青春だったなあ…。
>music70s様
確かに、サンタナになってるかもしれん。(笑)
彼のディストーション・サウンドもイイですよね~。
暖かくて、のびがあって・・・。
大好きです。
>波野井露楠様
なんて、当時僕も言ってみたかったですね~~。
僕なんか、
「太刀打ち出来ません!」
の世界でしたから・・・。
同じく、青春だったなぁ・・・・。(笑)