「キャンディーズ」のお話。
僕は内覧会の前に、少し時間があったので学校の周りをゆっくり歩いて一周した。学校の周りに流れているドブ川は、当時のままだし、昔から残っている建物も多い。
「こうやって、じっくり見ると、ずいぶんと懐かしいなあ・・・。」
なんて思いつつ、学生の頃によく通ったお好み焼き屋の前まで行ってみたのだが、残念ながら、そこは一般の民家になってしまい、当時の面影は全くなかった。
「まあ、あの当時からかなり古い店だったから、残ってないのも当然だな・・・。」
なんて思いながら、その場を立ち去ろうとした時、妙な光景が頭に浮かんできたのだ。
こういうブログをやっていると、何をする時でも無意識のうちに記事のネタになるような音楽関連のモノがないか探すのが癖になっている。今回もその辺の『無意識の意識』が働いたのか、記憶の糸を手繰りながら頭の中に浮かんできたのは、一世を風靡した1組のアイドルグループの事だった。

その後、内覧会は無事に終了し、僕は家に帰ったのだが、その時からキャンディーズの事が頭の片隅に引っかかっていて、先週TUTAYAに行くという長男に、これ幸いと、
「ついでにキャンディーズのベスト・アルバムを借りてきてくれ!」
と頼んでしまったのだ。
そして、「キャンディーズ・ベスト・セレクション」というアルバムをゆっくり聴いてみたのだが、当時の風景や思い出が断片的に浮かび上がるような気がして、いやはや、実に興味深く楽しかった。そんな訳で、今回はこのアルバムの曲から感じた事をいくつかお話したい。

この曲、僕の中では、キャンディーズのデビュー曲みたいなイメージがある。実際は違うのだが爆発的に売れたのはこの曲が初めてだったような記憶があるのだ。
小学生の時に見ていた「8時だョ!全員集合」のドリフの横にいつもいるお姉さん達が、ある日突然頻繁にテレビに出るようになった・・・。そんな感じを中学生になったばかりの僕は持っていた。そして、「年下の男の子」という曲で、もともとキャンディーズに持っていたお姉さん的な憧れが増幅され、特にメインボーカルの「ランちゃん」のお姉さん的魅力は、3人の中でも群を抜いており、色気づき始めた中学生には気になって仕方がない存在だったと記憶している。
また、みっともない話だが、僕はこの曲の中で、
「♪エル・オー・ブイ・イー 投げキッス♪」
と歌われている『エル・オー・ブイ・イー』の意味が分からず、それが『LOVE』の事だと気が付いたのは、中学一年も半ばを過ぎた頃だったように記憶している。

中学2年の春先に高知市内の帯屋町を歩いていると、やたらと耳に入ってきた記憶がある。当時の僕はこの曲の「♪もうすぐは~るですねえ♪」のサビの部分の3人のきれいなハモりを聴いて、
「へ~っ、キャンディーズって結構ハモるのも上手いんだな~。」
なんて事をふっと感じた事を覚えている。
今回ベストアルバムを聴いていても、当時はあまり気がつかなかったキャンディーズのハーモニーやユニゾンの気持ち良さにあちこちの曲で気が付き、ちょっと感動してしまった。
その上、「春一番」で歌われる歌詞は、
「雪がとけて川になって流れて行きます。」
とか
「土筆の子が恥ずかしげに顔を出します。」
なんて、ノリの良いリズムとは裏腹に、きちんと日本の春の訪れを歌っている事に、感心した。
「そういう時代だった。」
と言えばそれまでだが、オヤジにとっては、実に分かり易くて、良い歌詞だと思うのだ。

初めてこの曲を歌うキャンディーズをテレビで見た時は、ちょっとした衝撃を受けたような気がする。それまでのミニスカートの可愛らしいお姉さんのイメージから一転、レオタード風の大人っぽくセクシーな衣装に変身したからだ。とにかくこの「やさしい悪魔」の衣装は、僕みたいな色気づき始めた中学生には刺激が強く、歌の内容よりも衣装と振り付けの方が頭にこびりついている。
今回改めて聴いてみると、歌詞の内容もそれまでのイメージとは異なり大人っぽく、落ち着いた印象を受ける。特に中盤の「ランちゃん」がソロで歌う部分のちょっと鼻にかかった声がなんともセクシーで、懐かしさと共に改めてオヤジのスケベ心を誘う、実にいい曲だと感じてしまった。
それにしても、中学生の時からこの曲に対するオヤジのスケベ心は全然変わってない事に気が付いた。実に恥ずかしいと思ってしまう。

勝手な意見だが、この曲の完成度は非常に高いと思っている。
まずは、歌い出しの「♪しょちゅう~~~おみまい、もうしあげます~~~♪」の部分の綺麗なユニゾン、それに続くちょっとコミカルだけど色気を感じる合の手、と、
「キャンディーズの魅力ここにあり!」
と言わんばかりの曲である。そしてこちらも中盤にちょっとブレイク気味に挿入される「ランちゃん」のソロパートがちょっとしたスパイスのように効果的であり、その上、リズム的にも聴いていて実に楽しく、ついついオヤジは一緒に歌ってしまった。45歳という年齢も顧みず、
「今度カラオケで歌ってやろう・・・フフフッ・・・。」
なんて、とんでもない事まで一瞬考えてしまった程なのだ。
ま、その後冷静になって、
「それをやったら人格疑われる・・・。」
なんて考えて、家で歌うだけにしたんだけど・・・。
ま、いずれにしても、「暑中お見舞い申し上げます」は、僕の中ではキャンディーズの代表曲な訳です。

解散が発表された後のキャンディーズは最後のコンサートまでにずいぶんと時間があったような気がする。そんな中発売されたこの曲は、過去に発売された曲の思い出をなぞる歌詞が魅力的で、中学生だった僕も、
「こりゃ~うまい事考えて作ったなぁ~。」
なんて感じたものだ。
今回聴いて面白かったのは、
「掃除したてのサッシの窓」
とか
「畳の色がそこだけ若いわ」
なんていう、今時の歌詞には絶対登場しないセリフが結構あって、
「うん、うん。そういう時代だったよな~。」
なんて事を一人納得した事だった。
ま、いずれにしろこれも名曲。歌詞の巧さと熟達のユニゾンが聴ける素晴らしい曲なのだ。
さて、キャンディーズの事を思い出していると、それは僕の中学時代とダブっている。中学の3年間にフッと出現して、アッと言う間に消えてしまった。そんなイメージなのだ。当時の僕は、キャンディーズの大ファンという訳では無かったが、なんとなく気になる存在だった事は確かだ。その理由を考えてみると、キャンディーズは当時活躍していた山口百恵のようなオーラを感じる大スターではない。しかし、ちょっと女の子を意識し始めた田舎の中学生にとっては都会のお姉さん的存在であり、非常に親近感が持てるアイドルで、身近で気になる存在だったと思うのだ。
そういえば、高校生の頃、女の子のタイプを聞くのに、
「ラン・スー・ミキで言ったらどのタイプ?」
なんて聞いていたのを思い出した。で、答えは、
「う~ん、ランとスーとを混ぜて2で割ったみたいな感じかな。」
なんて訳の分からない事を言っていた。
まるっきりアホだ・・・。
キャンディーズ 年下の男の子
キャンディーズ 春一番
キャンディーズ やさしい悪魔
キャンディーズ 暑中お見舞い申し上げます
キャンディーズ 微笑がえし
[M;キャンディーズ]
いまだ、キャンディーズを平気で歌っているのはおかしいかもしれませんね。
あと太田裕美、松田聖子をなぜか歌ってしまうキモイおばさんです。
女の子っちゅうのは、パワーがあります。
それが3人揃えば無敵ですね。
ピンク・レディーより声が美しいです!!
悶々とし始める中学生がピチピチの3人組に興味を持つのは当たり前ですよね。
やっぱりランちゃんが、いや俺はスーちゃんが、とかいうのが楽しいんです。
今思えばよくできたアイドル・グループでした。
>まり様
キャンディーズ、松田聖子、太田裕美、僕も全部好きですね。
歌いまくってください。(笑)
>music70s 様
実にいいグループだと思います。
我々の世代の男は、ほぼ全員が、
「ラン、スー、ミキで誰が一番いい?」
なんて事を話したと思ってます。
あ~懐かしい!
ラン派です
>弥二朗様
それにしても、ランちゃんのお宅の近所とは、
実にリアルな思い出ですね。
羨ましく思います。
で、私も、絶対にラン派です!(笑)