2009年4月某日の聴き流し日記
最近ボケてきたせいか、ホンのこの前聴いたCDの事でもすぐに忘れてしまう。そんな訳で、覚えているうちに急いで書く事にしたのだ。
今回取り上げるアルバムは3枚。早速、話を聞いて欲しい。

このアルバムを聴くと僕はいつも悔しい思いがする。大学生の頃だと思うが、何かの音楽雑誌で読んだ記事の中に、
『「リターン・トゥ・フォーエヴァー」が世に登場した時に、それまでのジャズ喫茶の雰囲気が全く別のモノに変わり、衝撃を受けた云々』
というような事が書かれていた。
当時の僕は、
「これがフュージョンが世に出てきた事の衝撃なんだ!これは凄い話じゃ!」
と勝手な解釈をしたものだった。
そして、この時考えたのだが、我々の世代は、実体験では気が付いた時には周りにフュージョンという音楽が普通に流れていて、ジャズの転換期を感じて衝撃を受けるような体験をするには間に合わなかった世代になる。このジャズの転換期がチャーリー・パーカーの出現のように自分が生まれるよりもずっと昔の話なら、歴史の勉強のような感覚で済むのだが、「リターン・トゥ・フォーエヴァー」の発売は僕がジャズ喫茶へ出入りするようになった頃からわずか10年程前だ。そう思うと、このアルバムの曲や演奏を聴く以前に、時代を変えるアルバムの出現に立ち会えなかったという事がまず気になって、いつも悔しい思いがするのだ。
今回も、チック・コリアのエレキ・ピアノの音を聴けば聴くほど、
「このアルバムが突然流れた時のジャズ界の衝撃ってどんなモノだったんだろう?」
そんな事ばかり考えてしまったのだ。

何故このアルバムをレンタルしたかというと、僕が最初に甲斐バンドを聴いたアルバムが多分「英雄と悪漢」だったような気がするからだ。
僕は中学2年の時にクラスの女の子からこのアルバムを貸してもらった。その時の情景と、このジャケットのイメージが何となく頭の片隅に残っているのだ。当時の僕は吉田拓郎やかぐや姫のフォークソングばかり聴いていたので、甲斐バンドの音楽には今一つピンと来るものが無く、何の感動もなくこのLPを彼女に返却した事を覚えている。その後、高校3年生になった頃、本格的に甲斐バンドに魅力を感じ始め何枚かのアルバムを聴いたが、残念な事に「英雄と悪漢」を聴いた記憶は無い。
とまぁ、これぐらいの事しか覚えていないアルバムなので、当然中身の方は全く記憶になかったのだが、今回収録曲を確認すると、知ってる曲が何曲かある。多分ライブアルバムか何かで聴いて頭に残っているのだろうが、そんな中、一番懐かしかったのが名曲「裏切りの街角」だ。
この曲から浮かんでくるのは、雨降る東京の街並みと恋に破れた男の激しい感情で、甲斐バンドの曲の中でも、
「これほど情景が立ちあがってきて胸に迫る曲は無いかもしれない・・・。」
そんなふうに感じた。無論、オヤジはこの歌詞のような経験はした事無いけれど、あまりの切なさに涙が流れそうになってしまう。恥ずかしい話だが、オヤジはこういう歌詞に実に弱いのだ。
前にも書いたかも知れないが、甲斐バンドの魅力は甲斐よしひろの歌声と情景が頭に浮かんでくるようなラブ・ソングを感情たっぷりに歌い上げる所にあるのだ。「裏切りの街角」を聴いて、オヤジは改めてそう思ってしまった。

先月何かの折に、レッド・ツェッペリンの事がひょいと頭に浮かんで、
「ツェッペリンと言えばこのアルバムでしょう~!」
とミーハー根性丸出しで、ヘッドフォンを付けて大音響で楽しんでしまった。
耳に刺さるようなジミー・ペイジのギター、うねりまくるジョン・ポール・ジョーンズのベース、それを後ろから煽り立てるジョン・ボーナムのドラム、そしてハイトーンで歌い上げるロバート・プラントの声、これらが大音響の中で一体になってガンガン迫って来る所に、ツェッペリンを聴く最大の面白さと興奮があるのだ。
名曲揃いの超有名アルバムにも拘らず、こんなに真面目に全編通して聴くのは数年ぶりの事で、ちょいと大袈裟な表現をすると、4ピースバンドの真髄を見たような感じがしたのだ。そして、実に当り前の事なのだが、
「良質のロックを聴くには音が大きくないといけない。小さい音だと魅力が半減するばかりでなく、本当の良さは絶対に分からない。」
そんな事をつくづく感じさせるアルバムだった。
そんな訳で、先月頭に残ったアルバムは以上の3枚。
「全部1970年代のアルバムで、ジャズ、邦楽、洋楽と三つのジャンルからと良い選曲じゃないか!」
なんて、普段がメチャクチャなだけに、今回は満足してるオヤジなのだ。
ではまた。
[Music Chick Corea] [Music 甲斐バンド] [M;Led Zeppelin]
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甲斐バンドに反応(笑)
甲斐バンドは中学生の頃一番好きだったバンドです。
誘惑までのアルバムは、全部持ってますよ~。
今日の↓のURLに、自分が選んだ甲斐バンドの曲を5曲貼り付けて
ありますので、お暇なときにでもm(_ _)m
それと、「大きな音で聴く」…大賛成です。
私もよく「うるさくない程度の一番大きな音で聴いたほうが、気持ちいいよ」と言ってます。
小さな音では聴こえてこない小技や空気が感じられますもんね。
リターン・トゥ・フォーエバーはいいですね!
ほんとこんな聴きやすいジャズアルバムがあるなんて目から鱗です。
ZEP『Ⅳ』も天国の階段はハマりにハマりました(笑)
甲斐バンドはCDは持ってないものの
裏切りの街角は大好きなんですよ♪
ラテンテイストが入っているジャズなら
聴けるようです(^^♪
>石ころ様
やっぱ、「裏切りの街角」は名曲ですね。
映像が実に懐かしかったです。
>まり様
それから、「天国への階段」。
これは、ギター小僧のバイブル(笑)
僕も、ハマリにハマってました。
そして今でもHRスペインを時々やっています。(笑)
考えてみれば’70ROCKの洗礼を浴びた我々はその後HRからHM趣向が行かず、それと同質のスリルとアドリブ性を求めてこの辺りの音楽に趣向が行ったのですが、、、(我々って言ってもいいですよネ。笑)
Zep.についてはもう細かくコメントの必要も無さそうです。。。。一言、同感!!!(爆)
>Lamo様
大丈夫です、大丈夫です。(笑)
その通りですから。
で、スペインは名曲ですね。
僕も途中までコピーした記憶があります。
HRスペイン、聴いてみたいですねぇ~。
P.S.
ちなみに、Zep.のR&Rを曲間で演ってる映像もあります。(笑)
>Lamo様
凄い迫力ですね~。
リフをギターとハモる所、ギターのアドリブ途中からベースのバッキングをスラップにする所など、妙な表現ですが、ウンウン頷きながら見ました。
カッコ良かったです。