布袋さんとつればり。
「実は週末に『布袋さん』と飲む事になった。『布袋さん』は土佐が大好きらしいので、何か土佐土産をプレゼントしたいと思い、考えていたら『つればり』が頭に浮かんだ。そんな訳で『つればり』を買って送ってくれないか?」
とまあ、そんな内容だったのだ。
さて、突然こんな話をしても、『布袋さん』とか『つればり』とか、全く意味の分からない事ばかりだと思うので、少し説明させてもらいたい。
まず、『布袋さん』とは、そう、ギタリストの布袋寅泰氏の事だ。何故オヤジの友人が布袋寅泰氏と酒を飲む事になったかの説明は省略させて頂くが、いずれにしろオヤジの友人は電話口の向こうで、ギタリストの布袋寅泰氏と酒が飲める事に興奮していた訳なのだ。

「はぁ?それがどうした?」
なんて言われそうだが、この『つればり』、写真のように正面から見ると何て事無いのだが、裏側から見ると結構驚く。実は『つればり』とは3人の女性が着物をまくり上げてオシッコをしている人形だからだ。当然、裏から見ると、女性のきわどい部分がそれなりに描かれていて、土佐の民芸品と言えども、土産にするには結構勇気がいる代物なのだ。
土産物店で購入するにあたって、子供の頃からこの人形を目にしているオヤジでも、
「それにしても、何でこんな下品な人形があるんじゃ・・・?」
と、しばし考え込んでしまった事だった。
今回、オヤジはこの『つればり』以外にも何種類かの土佐の民芸品を友人に送ったのだが、その後の彼からのメールで、『つればり』のプレゼントは布袋氏に大受けして、実に楽しい時間を過ごしたとの事であった。

「グレイティスト・ヒット・1900-1999」は有名曲のオン・パレードで実に分かり易い。ロックン・ロールを前面に出したノリの良い曲も楽しいが、心に沁みるバラードも渋い。布袋氏独特の少しこもったような歌声が実にカッコ良く、どの曲を聴いても、
「う~む、ギターと言い、楽曲と言い、ポップにまとまっていて、上手いもんだよなぁ~。」
そう思えるアルバムなのだ。
しかし、この『上手いもんだよなぁ~』という感覚は、あくまでもオヤジが1990年代の布袋氏に抱くイメージで、今現在オヤジが布袋氏に持っているイメージは、少々違っている。
現在の布袋氏にオヤジが抱くのは、
『自分の根底に流れるロック・スピリットは絶対に変えないで、よりアグレッシブで広範囲な音楽活動をする事で、当時のコンパクトにまとまっていた音楽の殻を破り捨て、何倍にも大きく脱皮したアーティスト。』
そんなイメージなのだ。
実は、この事を実感出来るアルバムがここにある。

個人的には、ストレートに押しまくる土屋アンナとのセッション「Queen Of The Rock」や、ロカビリームードが漂うブライアン・セッツァーとのコンビネーションが聴ける「Take A Chance Of Love」、ドラムの中村達也との「カラス」なんかが気に入っていて、布袋氏の器用さが随所に感じられるのだ。
しかし、ここで曲の細かい説明をしていると主旨から外れてしまうので、先に進めるが、オヤジが一番言いたいのは、
『アルバム「ソウル・セッションズ」からは、布袋氏の音楽の巾の広さ、懐の深さ、そして彼独特の個性を感じる事が出来る。』
という事なのだ。
ミュージシャンというのは、
『ゆるぎない個性を根底に持った上で、常に回りを驚かせるような変化をする事を宿命づけられている。』
そう考えるオヤジには、守備範囲を広げながら変化しつつも、根底の個性は錆付かせない布袋氏の音楽が実にカッコイイものに感じられるのだ。
また、オヤジは布袋氏がどんな人物なのかは全く知らないが、友人が、
「凄くイイ奴。回りに気を使うし、酒も飲む。そこらのサラリーマンより何倍も礼儀正しい男だ!」
とまぁ、ベタ褒めするのを聞いて、オヤジ自身、布袋氏が商売上で見せる強面の外見の内側に、何となく滲み出る「育ちの良さ」のようなモノを感じてしまい、
「多分そうなんだろうなぁ・・・。」
なんて事を考えている。
いずれにしろ、今回の事でオヤジの中では布袋寅泰という音楽家の見方が少し変わった。楽曲だけでなく、その間に見え隠れする人間性と、常に殻を破り成長しようとする姿勢を非常に身近に感じるようになったのだ。
調べてみると、布袋氏はオヤジの一歳年上だ。布袋氏の事をオヤジだと言うつもりは無いが、同じ世代だと何かと共感する事が出来て、
「これは応援しないわけにはいかない。」
そう感じてしまう。
「ファンです!」
なんて声を上げるつもりは無いが、静かに気にかけながら応援し、見守り続けたい存在である事は確かなのだ。


「そんなに嬉しいなら、家宝にでもして仏壇にでも飾っておいたら?」
なんて事を言われてしまった。
また、その後の友人からのメールに、
「『つればり』が布袋氏の奥様の今井美樹嬢の目にふれるのはマズイなぁ・・・。」
なんて事が書いてあり、
「確かに。土佐の下品さを、わざわざアピールすようなもんじゃ・・。」
なんて事を考えている今日この頃なのだ。
いやはや・・・である。
[Music 布袋寅泰]
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Category: 憧れの巨匠話 | Comment(6) | Trackback(0) | top↑ |
NO SUBJECT
私は、このお人形の存在を全く知らなかった。
損した気分。教えてもらって得した気分。
「つればり」・・・なるほど・・・。
祖母がこの格好で、用を足していたことを思い出した。なるほど。
どこで売っているんだろう。
土佐人になって、うん十年の店長。
絶対手に入れたい。
密かに情報をお待ち申し上げております。
民芸品も奥深い
手にかけて欲しいとか、顔にかけて欲しいとか、、、
女性にはわからない、なにかそそるものがあるようです。
今井美樹夫人も案外、そういったことに理解をしめしているかもしれませんよ(^_^;)
>店長様
でも、「つればり」っていう言葉で土佐人なら
「なるほどねぇ~」
って納得するはず。
はりまや橋あたりの土産物屋さんで売ってるよ!
>まり様
奥が深い・・深すぎる(笑)
まりさんのコメント、勉強になります。
確かに、何かそそるものを感じます。
NO SUBJECT
お土産に貰って「なぁ~んだ置物か」が
後ろからみたら「お!」ってなるんですね^^;
私の知り合いに布袋さんと子供の頃に遊んでたって人がいます。(名古屋出身です)
ただそれだけですが・・・。
>のりぽん様
知りませんでした?
そうか・・・、まぁ、こういうものを見て喜んでいるのは、男性が多い訳で・・・。
オヤジは中学生の頃、友人と土産物屋に並んだ「つればり」の陳列を全部反対向けて喜んでました。
いやはや・・・。