モダン・ジャズ・カルテットの「ラスト・コンサート」を聴いてみた。

「『初対面の人がいかなる人物なのか?』を探る一番早い方法は、一緒に食事をする事だ。」
そう書いてあったのを思い出した。
箸の使い方がへんだったり、音を立てて食べたり、口をいっぱいにして喋ったりするような奴はダメ、いわゆる『お里が知れる』という事なのだ。
さて、何でこんな事を突然思い出したかというと、その時聴いていたモダン・ジャズ・カルテット(以下MJQ)のアルバム「ラスト・コンサート」が原因だ。
僕は昔からこのアルバムが好きで折に触れて聴いてきたが、毎回思うのは、MJQの音楽の品の良さだ。この時も洗練された上品な演奏に魅了されて、
「やっぱジャズたるもの、お上品でなくては。下品なジャズはお里が知れるわ・・・。」
などと勝手な事を呟きつつ、昔読んだ本の事を思い出したのだ。
MJQの上品さだが、
「それは、ジョン・ルイスのクラシックかぶれのせいよ。」
と一言で片付けられる事がある。確かに楽曲へのクラシック的なアプローチは大きな部分を占めるかも知れないが、オヤジは、それ以外でもMJQの演奏には上質な品の良さを感じさせる雰囲気が漂っていると感じている。
それは、このライブアルバムでもそうだが、MJQというグループが聴衆に対して持っている非常に謙虚で真面目な姿勢が、彼等独特の様式美を通して見え隠れする事で、聴く側もキチンと改まって彼等の音を受け止めようとするのだ。そして、こういったやりとりから、上質で品のある彼等の音楽が生まれて来ると思う訳だ。
音楽も食事と一緒で、いつも下品な音楽ばかり聴いていると、ダメな人間になってしまう訳で、時々MJQのような音楽を聴いてバランスを取る事が重要かも知れない・・・などとオヤジは思っている。
[Music Modern Jazz Quartet]




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