無料ブログ
土佐のオヤジの音楽昔話 ~ あの頃の曲を聴いてみた ~ リチャード・ティーの「ストローキン」で思い出す空中分解演奏の話。
RSS|archives|admin

スポンサーサイト

--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


|
Category:スポンサー広告 | Comment(-) | Trackback(-) | top↑ |

リチャード・ティーの「ストローキン」で思い出す空中分解演奏の話。

2011.07.14 Thu
ストローキン

 久しぶりに昔話をしたい。
 前回書いたのが3月の事だったので(←こちらです。)ボヤボヤしているうちに4ヶ月も時間が経ってしまい、
「う~む、時の流れは早いものだぞ・・・。」
 などと一人茫然としているオヤジなのだ。でも、いつまでも茫然としているとボケ老人と間違えられるので、気を取り直して話を始めたい。皆様、お付き合い願いたいのだ。
 さて、僕の大学生活も2年近くが経過し、時は1984年の1月になっていた。この頃は前年の秋口以降あまり活動していなかったバンドが再始動し、近づいたライブへ向けて毎日ベースの練習に励んでいた時期だ。
 当時僕が所属していたバンドは、就職活動で4回生のギターとキーボードが抜けた為に、穴埋めとして他校の学生に手伝ってもらっていた経緯があり、前年の夏場から半年ほどの間は『6人編成のバンドの中で、うちの大学の奴は自分を含めて2人しかいない。』という実にチグハグな状況になっていた。
 サークルの面々からは、
「他校の奴ばっか連れて来て、部費も払わず勝手に部室で練習しやがって・・・。」
 と白い目で見られていて、僕自身かなり居心地が悪い思いをしていた記憶がある。
 しかし、年が明けて4回生の2名がバンドに復帰し、
「大学生活最後のライブをやろうじゃないか!」
 という話になり、サークル内でも卒業間近の4回生の無言の圧力で外野に文句を言わせる事もなく、昔のように一致団結してライブに取り組む空気がみなぎり、僕自身、
「お~~し、久しぶりにベース弾きまくったろうやないかい!」
 と、実にハイテンションであった事を覚えている。
 その上、僕はガラにも無く、
「4回生の最後のライブだから、恩返しの意味も含めて真面目に演奏しよう!」
 なんて事も考えていた。と言うのも、そもそも大学に入学したばかりの僕をこのバンドに誘ってくれたのは4回生でキーボードのK田さんであった。もしこの誘いが無かったら、
「好きなジャンルのバンドで居心地良くベースが演奏出来る2年間を過ごせたかどうか?」
 は、はなはだ疑問であり、そういう意味ではK田先輩への感謝の気持ちを表わすのには、
「このライブはいい機会だぞ。」
 なんて事も考えていたのだ。
 こんな気持ちが通じたかどうか、K田さんも最後のライブに妙に気合いが入っていて、新曲を決めるミーティングの時に、
「最後だから、コノ曲やりたいんだよねぇ~。」
 そう言って持ってきたのがリチャード・ティーの名曲「ストローキン」だった。
 ここでちょっと説明しておくが、この「ストローキン」という曲、バックのドラムとベースのグルービーなリズムに乗せて延々とリズミカルなピアノのアドリブが続き、
「聴き所はピアノだけしか無いよなぁ・・。
 そう言っても過言ではない曲だ。
 その上、このアドリブがリチャード・ティー独特の超テクニカルな旋律だらけなので、まぁ、簡単に言えば
『ピアニストにとっては非常に目立って嬉しい半面、めちゃくちゃ難しい地獄のような曲』
 なのだ。
 そんな訳で、当時「ストローキン」を練習すると、他のメンバーは笑いながら演奏出来るが、キーボードのK田さんだけは毎回顔を引きつらせ、1曲終るとヘロヘロになるぐらい疲れていたのだ。今となっては、
「よくまぁ、あんな難しい曲を選んだもんだ・・。」
 なんて思うのだが、この時はとにかく意気込みが凄まじく、
「よっしゃ!やったろうやないかい!」
 とバンド全員が二つ返事のイケイケムードだったのだ。
 さてライブ当日、会場の吉祥寺の小さなライブハウスには、サークル関連のサクラを中心に有難い事に「満員御礼」の札が下げられるぐらい客が入っていた。
 この時の会場は小さかったが、我々だけの出演だったので、
「貸切だから、好きなだけ演奏し放題だぜ!」
 的なノリがあり、調子に乗った我々はレパートリーのほぼ全曲を次から次へと演奏した記憶がある。そして問題の曲「ストローキン」は最後にアンコールで演奏した。で、見事に失敗したのだ。
 今思うとこの
『最後に「ストローキン」を演奏する』
 という構成がミスだったのだが、この時はそんな事は全く考えもしなかった。
 そもそも我々は素人演奏家なので、何度も人前で演奏しているとは言っても、いざ本番となると、どうしても気負いがあって演奏に力が入ってしまう。それは別に悪い事ではないかも知れないが、何事にも限界があるのだ。最初から気合いを入れ過ぎて演奏すると、曲目が多い場合、最後にバテるという事をこの時初めて知ったのだ。
 「ストローキン」の演奏を始めてすぐに、
「最後に一番キツイ曲を弾くK田さん、大丈夫かね・・?」
 そんな事が頭に浮かんだのを覚えている。そして思った通り、演奏が始まってすぐにK田さんの指が言う事をきかなくなりつつある事に僕は気が付いた。観客の手拍子とドラムのリズムからピアノが徐々に遅れ始めたのだ。僕はベースを弾きながら、
「あらら・・・ちょいとヤバイぞ・・。」
 てな事を考えつつ、心の中で、
「頑張れ!ピアノ!」
 なんて念じていたのだが、最終的にはリズムにピアノがついて来られずに、ドラムとベースのリズムだけが炸裂し、空中分解的に曲が終ってしまったのだ。
 まぁ、客の方は知り合いばかりの上に、酔っ払いだらけなので、逆に空中分解を起こしたのが面白いらしく大笑いされた上に、大拍手をもらったのだが、この時の事件は僕の心の中に現在でも衝撃的に残っているのだ。ライブ慣れしていない素人には限界が分からないという事を思い知った一瞬だった。
 さて、そんな事を思い出しながら、リチャード・ティー「ストローキン」をYouTubeで聴いてみたが、いやはや、実にイヤラシイ。
「何がよ??」
 と言われそうだが、この難解な曲を笑いながら余裕たっぷりに演奏する所が実にイヤラシイのだ。まぁ、これは偉大なミュージシャンに対するヒガミ以外の何物でもないのだが、改めてこの難しい曲を人前で弾いたK田さんには敬意を払いたいと思っている。たとえ空中分解しようが卒業間近のライブで最後まで必死で頑張った姿は、今考えると胸が熱くなる思い出なのだ。
 久しぶりに聴く「ストローキン」からは、あの夜バンドのメンバーだけで静かに飲んだ打ち上げの光景が目に浮かんで来た。吉祥寺の狭くて汚い居酒屋の片隅でK田さんは、
「いや~、終っちゃったよなぁ・・・。」
 そんな事を何回も言っていた気がする。青春の1ページなのだ。

Richard Tee [ STROKIN' / Live Video ] Steve Gadd ' 90


 
[Music Richard Tee]

 ブログランキング にほんブログ村 音楽ブログ 思い出の曲へ にほんブログ村 音楽ブログへ
関連記事


Theme:バンド活動♪ | Genre:音楽 |
FC2タグ : ストローキン リチャード・ティー |
Category: 大学2回生の頃 | Comment(2) | Trackback(0) | top↑ |
<<ノラ・ジョーンズの「カム・アウェイ・ウイズ・ミー」を聴いてみた。 | HOME | サンタナの「シャーマン」を聴いてみた。>>

好きなんですよ、リチャード・ティー

難しい曲に挑戦されたんですね。
K田さん、かっこいいですね~。
リチャード・ティーはスタッフでのプレイを聴いて
好きなキーボーディストの一人になりました。
映像、すごく楽しめました!
- | ぶらうん | URL | 2011.07.15(Fri) 14:41:36 | [EDIT] | top↑ |

>ぶらうん様

私もリチャード・ティーを知ったのは多分スタッフ辺りだったと思います。
亡くなったのが実に残念です。
- | 土佐のオヤジ | URL | 2011.07.16(Sat) 08:07:04 | [EDIT] | top↑ |

お名前

タイトル

メール

URL



[     ]
Trackback URL
http://tosaoyaji.blog104.fc2.com/tb.php/590-5522d4b2

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。