マイルス・デイヴィスの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」を聴いてみた。

マイルスのどのアルバムを流しても、必要以上に感覚を研ぎ澄まし、
「この演奏の裏には俺が気付いていないモノがまだまだ隠れているはずだ・・・。」
なんて事をついつい考えてしまうのだ。
特にジャズを聴き始めた20代の後半は顕著で、例えば「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」なんかを1枚聴くと、正直どっと疲れてしまい、
「しばらくマイルスは聴きたくないわ・・・。」
そんな状態になっていた覚えがある。
まぁ、確かに彼のアルバムは笑いながら聴けるようなモノは1枚も無いと思うが、それでも息抜きというか、少し楽に聴けると思っているのが画像の「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」だ。
曲がスタンダード中心なので聴き易いのであろうが、もう一つ、トランぺッターとしてのマイルス・デイヴィスのカッコ良さが非常に分かり易く出ている点も聴き易い要因であるとオヤジは思っている。
このライヴ・アルバムでのマイルスのリリシズムには恐れ入る。溜息が出るほど抒情的な演奏で聴衆を一気に引き付け、彼らの心を捕まえたら絶対に離さない。しかしその演奏は『甘く、切なく、美しく・・・』なんてオヤジのようなお馬鹿ジャズファンが喜ぶような軟派なモノではなく、あくまでも真っ向勝負。マイルスの曲の解釈の深さと、凛とした美しさに、
「ほう・・・。」
と、呟いてしまう1枚なのだ。背筋をスッと伸ばして、遠くの方を眺めながら聴き入ってしまった。
[Music Miles Davis]




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マイファニーヴァレンタイン
>同世代ヲヤヂ様
チェット・ベイカーのバージョンの事なんてすっかり忘れてました。
早速聴いてみます。