キング・クリムゾンの「アースバウンド」を聴いてみた。

「こりゃ~酷いわ。」
そう思って聴くのを止めたのだが、妙なもので、その後ずっとオヤジの頭の中に「アースバウンド」は引っかかったままだった。
「あんなにノイズだらけで、音の悪いアルバムが何故だ?」
なんて思ったのだが、一方では長年音楽を聴いてきた勘みたいなモノが働いているような気もしていた。つまり、
『昔聴いた時には分からなかった何かが、今聴けば分かるような気がする・・・。』
そんな感覚だ。
この感覚はオヤジがこれまで何度も経験してきたモノで、古いアルバムに改めて耳を傾けると、中学・高校時代には分からなかった良さが、年齢を積み重ねた今になって理解できるのだ。とまぁそんな訳で、真面目に聴いてみました。キング・クリムゾンの「アースバウンド」。
そもそもキング・クリムゾンってバンドの特徴は、ロバート・フィリップの頭の中にある音の世界が、ある時は美しく華麗に、またある時は恐ろしく邪悪に計算づくで展開される所にあるとオヤジは思っていた。だが、このアルバムはチョイと違う。悪い音の厚いベールを掻き分けた先にあるクリムゾンの「狂気」を上手く探りあてなければならないような気がするのだ。
「結構ハードルが高いなぁ・・。」
なんて感じていたが、聴きはじめて10分程でパッと分かった。いや、分かったような気がした。
「ああそうか、こりゃジャズなんだ。」
そう思ったのだ。
このアルバムの音の洪水とタガが外れたような演奏はプログレの範疇を超えて、暴走するジャズになっているとしか思えないのだ。そして、尻切れトンボのようなエンディングまで聴くに至り、ジャズで感じる『音楽がこの世に飛び出してくる時の生々しさと力強さ』をオヤジは「アースバウンド」に感じていた。そして、最終的には音の悪さが気にならないほど「アースバウンド」に引き込まれていたのである。コレってひょっとすると凄いアルバムかも知れません。今更ながらって気もするけど・・・。
[M;King Crimson]




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