再びカーメン・マクレエの「ブック・オブ・バラード」を聴いてみた。

「俺の人生、残された時間は実に少ないぞ。」
そう思い、少々背中が寒くなる。
で、次に考えるのが、
「それなら、一日一日を満足したモノにせねば・・・。」
なんて事だが、実際に日々の生活の中で一日を充実させるのは実に難しい。
・・・とまぁそんな訳で、最近は音楽を聴くのにも、結構考え込むようになっている。
「コレ聴いて、本当に今満足できるの?」
って自分に問いかけるのだ。だって、あとどのくらいクリアな耳と感覚で音楽が聴けるか分かったもんじゃない。いつ痴呆になるかも知れない。いつ脳梗塞になるかも知れない。俺には時間が無いのだ。(←かなり大袈裟な表現で恥ずかしいけど。)
で、そんな事を考えつつ、週末CD棚から引っ張り出した1枚が、カーメン・マクレエの「ブック・オブ・バラーズ」だ。
「結局はこういうアルバムに落ち着くんだよなぁ・・・。」
なんて言いながら、数年ぶりに聴いたが、やはり名盤。元来、黒人の女性ジャズシンガーにはあまり興味が無いオヤジでも、カーメン・マクレエは例外。特に彼女の歌うバラードには昔から深く感動させられる。
「ブック・オブ・バラーズ」はそのタイトル通りバラードを集めた1枚だが、最初は何となく地味な印象を受ける。でも、
「ん?ちょっと食い足りない?」
なんて思いながら何度か聴いていると、知らぬ間に彼女の世界に取り込まれ、気が付けば、
「ジャズでバラードと言えば、カーメン・マクレエでしょ!」
なんて、そこら中から突っ込まれそうな事を平気で口走るような人間になってしまう。
オヤジが「ブック・オブ・バラーズ」を初めて聴いたのは今から25年も昔の事。でもそれ以来、このアルバムはオヤジの中で全く色褪せる事無く輝き続けている。こんなアルバム滅多に無い。残り時間が少ないオヤジには、貴重な1枚なのだ。
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[M;Carmen Mcrae]



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